庖丁式で鯉を捌く世古柏世氏

庖丁式で鯉を捌く世古柏世氏

 13日、津市大門の津都ホテル5階で、学校法人大川学園が運営する三重調理専門学校=津市大谷町、大川吉崇校長=の卒業式と「庖丁式」が行われた。
 この日、巣立ちを迎えたのは第53期生に当たる1・2年制コースの計34名。式典では卒業証書に加え、調理師免許、ふぐ取扱者認定証など各種の認定書が授与され、卒業生たちを心から祝福した。
 学力優秀で知事賞を受賞し、大阪シトラン都ホテルに就職が決まっている北村卓也さん(20)は「受賞は嬉しい。長いようで短い、楽しい学校生活でした」と喜びもひとしおの様子。
 式終了後には、在学中に調理実習などで使った食材への感謝を込めて、古式に則った日本料理の技法を今に伝える庖丁式の奉納が執り行われた。
 日本王朝時代の宮中行事で、厳粛な儀式である庖丁式の披露は毎年恒例だが、今年は古来より1300年間、一度も途絶えることなく奥義を受け継いでいる四條流の16代家元・入口柏修氏の直弟子で、四條流庖丁儀式保存会三重県支部門人で同校の和食の先生でもある世古柏世氏が執行。
 雅楽が流れる中、祝いの席に相応しい式題「三刀之鯉」という切型を披露。金属の箸と庖丁を使って鯉に全く触れず見事に捌き切っていた。