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2015年5月
津市美里町三郷に昨年11月、美里町からの文化発信と、地域の文化拠点としてオープンした「テアトル・ドゥ・ベルヴィル」で、6月にリーディング公演が4回にわたり上映される。
この公演は、古典・名作を俳優が読んで魅せるというスタイルで、2015春シーズンプログラム「ハルヨミ!」として6月25日迄の10週連続で上映中。
▼6月の公演の開演時間、演目、上演団体は──
①2日(火)19時半、宮沢賢治「よだかの星」、第七劇場
②14日(日)14時、「よだかの星」、第七劇場
③19日(金)19時、江戸川乱歩「人でなしの恋」、朗読女子LUCE
④25日(木)19時半、「よだかの星」、第七劇場
▼「よだかの星」の公演は予約不要。観覧料自由で、観客自身に、観劇後、料金を決めてもらうシステム。
▼「人でなしの恋」の公演は上演後に古民家Hibicoreでワインパーティーを開く。料金は、公演+オードブル=3千円、公演+ワイン+オードブル=4千円。予約は㈱INANAエンタープライズ☎052・961・4177または津あけぼの座☎059・222・1101へ。当日券の販売は行わない。
2015年5月29日 AM 4:55
㈱赤塚植物園、三重大学、高野尾地区の関係者らが「高野尾地区活性化推進協議会」を設立し、新しい農業の理想郷をめざす『花と緑と水の里』(津市高野尾町、事業主体㈱フューチャー・ファーム・コミュニティ三重)を来年6月にオープンさせる。入札で建設業者も決定し、着々と実現に向かっているが施設面の充実と共に斬新なソフト事業や施設周辺の水田を活用した「花街道」の構想も打ち出すなど、今後の進展にも注目が集まる。
計画は、㈱赤塚植物園の赤塚充良会長が、特産品のサツキの需要低下と農家の高齢化や後継者不足によって衰退する高野尾地区の活性化を地域住民から持ちかけられた事に端を発する。
そこで「高野尾地区活性化プロジェクト」を立ち上げ、同社の持つ土づくりの技術を核に、環境に優しく持続可能な方法で他の産業と遜色のない収入が得られる新しい農業の理想郷を生み出すべく歩み始めた。具体的には転用した農地を含む3万2000㎡の土地に、出荷会員は最大700名の予定で地域の農産品や加工食品などを販売するファーマーズ・マーケット(農産直売所)を中心に、同じく地域の農産物を使ったフードコートや、研修室などを備えた「花と緑と水の里」を建設。更に隣接する同社の栽培農園で広大な敷地に多様な植物が植生する「レッドヒルヒーサーの森」との相乗効果で大きな集客をねらう。昨年9月に事業主体となる㈱フューチャー・ファーム・コミュニティ三重を設立。今年の5月9日、高野尾地区活性化推進協議会の発足会も行われ、赤塚植物園、三重大学、地域住民らによる団結を誓った。一連の整備には農水省の「農林漁村活性化プロジェクト支援交付金」を活用する。
施設の建設業者も入札によって決定するなど、来年6月のオープンに向け、着々と準備が進んでいる。計画の目的には①地域コミュニティの再生②地域ブランドの創出③新規就農者の発掘④若者の定住促進などが掲げられ、国の地方創生への寄与をめざすだけに、ハードは重要だが、より注目すべきなのが多彩な企画を用意したソフト面だ。
具体例を挙げると、オープンに向け、新たな名物とすべく食用花(エディブルフラワー)を使ったオリジナルスイーツレシピづくりを県内の大学生や高校生と共に行う(6月13日と7月25日イベント実施)といったソフト事業を展開。更に名古屋産業大学との連携でヒーサーの森に設置したCO2濃度測定装置を活用しながら植生調査などを行い、台湾の学生とも自然学習を通じた国際交流も実施するなど、若者が農業や自然に対する関心を持つ環境づくりにも寄与。また、全国からの集客も望める芸濃インターのすぐそばという好立地を生かし、自施設だけでなく、津関線で結ばれた高田本山専修寺や多数の企業が進出している中勢北部サイエンスシティとの面的な繋がりも強化。㈶津市スポーツ協会と連携し、医療的な観点をからめながら、これらのエリアを歩く健康講座も実施する。
とりわけ、先進的な取り組みとしては三重大の「みんなで農業の未来を考える会」(略称のみかい)も開催。三重大の若手研究者と農業者やJA職員らが本音で意見を交わしながら、現場を知らない三重大の若手研究者に実践の場を提供すると共に農業者も地域問題を解決するヒントや六次産業化に向けたヒントが得られる場とする。
そして、赤塚会長が、施設の整備と並び、強い思いを持っているのが施設周辺の水田に季節の花を植える「花街道」構想だ。美しい花とふれあえる広大な花畑を整備し、施設の集客に繋げるだけでなく、農家の高齢化に伴い増加している不耕作地の増加にも歯止めをかける。また、来場者に花を販売する新たなビジネスも生まれるため、地域の高齢者の新たな生きがいを得られるなど、地域問題解決の手段として活用。花街道について赤塚会長は「子供の頃の原体験の風景を再現したい」と意気込む。
赤塚植物園や三重大の持つ技術や知識と地域住民の力が結びついた農業による地域活性化。実現に向けた今後の進展にも注目だ。
2015年5月28日 AM 5:00
三重歴史研究会は6月6日(土)15時~16時半(受付14時半、講演15時~)、アストプラザ4階ホールで総会記念講演会を開く。後援=津市教育委員会。
講師は放送大学三重同窓会会長で同歴史研究会会長でもある市川雄二さん。演題は「井上靖著『補陀落渡海記』を読む~熊野信仰と平維盛伝説~」。
市川さんは、「JR那智駅前に補陀落山寺が威厳を正して建立されている。その寺の裏山には、渡海上人の墓が数多くある。極楽浄土を目指して船出した人々の墓である。『補陀落渡海記』は、海の彼方に極楽浄土を夢み求める常世信仰から宗教的に派生した残酷物語を心理面から描いて小説化した作品で、深沢七郎の『楢山節考』の世界を思わせる。
「補陀落」とはインド南部にあるとされる観音浄土。古い昔から熊野の補陀落寺には寺の前の浜から船出すれば、極楽浄土に流れ着き往生できるという信仰があったが、実際には入水自殺である」と話し、同著をから熊野信仰と平維盛伝説をひも解いていく。
受講料は200円(資料代。但し会員は無料)。事前申込み不要。直接会場へ。 問い合わせは中村さん☎059・232・0631へ。
2015年5月28日 AM 4:56