2015年6月

旧津市久居庁舎=津市久居東鷹跡町=を取り壊した場所に建設し、平成31年度の供用開始が予定されている『(仮称)津市久居ホール』。昨年8月から今年3月にかけて、各分野の専門家たちによる全7回の有識者委員会が開かれ、「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」(劇場法)を踏まえた多角的な検討がなされてきた。そこで導き出されている方向性は日常から市民が集い、文化の担い手を育む先進的なホールの姿だ。

 

このホールの整備は、津市の副都市核と位置付けられている久居駅周辺地区都市整備再生事業の大きな柱の一つ。今年初めよりポルタひさいに機能を移し、役割を終えた旧久居庁舎を取り壊して建設。平成31年の供用開始をめざしている。
その整備基本計画で、大きなウェイトを占めるのが平成24年施行の劇場法との整合性だ。この法律では、文化ホールなどに対して、従来の貸館中心の業務から脱却し音楽・演劇・舞踏・伝統芸能といった実演芸術の振興や担い手の育成を図るために積極的な取り組みを行うことを求めている。
同法を設計段階から折り込んだ施設整備は、全国的にも稀有で、従来のホールとは一線を画す施設にする必要があるだけに津市でも慎重に準備を進めてきた。
昨年8月から今年3月にかけて、三重大学大学院工学研究科の大月淳准教授を会長に、先進的な施設運営を行っている公共ホールの館長らを迎えた有識者委員会を全7回実施。ホール整備の基本計画に基づきながら、様々な事例を踏まえた濃密で多角的な検討がなされており、その成果を意見書として今年3月に津市へ提出している。
その意見書で導き出されたホールの方向性を簡単に説明すると、公演のある時間だけでなく、日常より多くの人々が集い、地域の文化の担い手達を育くんでいく機能を持った施設。
施設を構成する主たる機能を説明すると…①主ホールは座席数600~700席を想定。舞台の大きさは奥行15m・幅37mで演劇・舞踊系を意識した造りにするが、音楽にも高いレベルで対応できるものとする。それに併設するスタジオは実演芸術の練習から主ホールのリハーサルや小規模な公演、主ホールに入りきれない人の収容などもできる多目的な機能を備える。200㎡を想定。
②専用展示ギャラリーは絵画など視覚芸術の展示が主目的。200㎡を想定しているが、スタジオや他室を合わせて、1000㎡の展示スペースを確保する。
③ホール運営を司る事務室は、久居総合支所のサテライト機能の併設が基本計画に盛り込まれているが、管理運営体制の違いや利用想定人数も少ないため、併設に当たり、更に慎重な検討と調整を求めている。
その他にも、各種音楽練習やリハーサルにも対応可能で、CD制作も可能な録音スタジオにも使えるバンド練習室(音楽練習室)。誰もが気軽に立ち寄れるオープンスペースに障害者を雇用するカフェや情報ラウンジ設置を提案している。
平成31年度に向けた今後のスケジュールは、6月議会に提出した補正予算が可決されれば、8月よりプロポーザル方式で建設業者を選び、基本設計に入る。同時にソフト面の核となる管理運営計画も策定。来年度の実施設計へと繋げる。
今回の有識者たちの意見は、運営方針にまで踏み込んでおり、既存ホールとの役割の違いをより明確にしている。即ち、久居のみに捉われないより広義の〝地域〟に文化的な影響を与えまちづくりや地域活性化につなげていく姿勢だ。
津市によると、市民への説明会でこの方針は好感触を得られたというが、それを実現するには然るべき人的資源と予算の投入など、求められる水準も高い。今後の取組にも期待したい。

「喜劇・桜の園」の練習の一場面

「喜劇・桜の園」の練習の一場面

津市を拠点に活動する社会人演劇集団・劇団津演=若林一博代表=の2015年公演・津市民文化祭参加『喜劇・桜の園~狸は嫁か姑か~』=作・池田政之、演出・岸武男=が、7月11日19時~、12日14時~(開場は各1時間前)、津リージョンプラザお城ホールで上演される。
ロシアを代表する劇作家・チェーホフの「桜の園」がベースで、日本で1000年続く超老舗旅館「たぬき家」を舞台にした、笑いあり涙ありの物語。
様々な立場の旅館関係者が多数登場し、それぞれの思いを持って動く姿を描く。
津演ならではの豊かな表現力から生まれる、息の合ったコミカルな会話や歌、踊りも見所だ。
岸さんは、「この作品では、近代化という時代の流れに翻弄される者達の姿を伝えたい。また、自然を破壊しながら開発し、どんどん進んでいく人間の文明化への一つの批判も含まれていて、警鐘を鳴らしています。
チェーホフの原作のように少し難しいことはなく、楽しい芝居になります。ぜひ見に来て頂きたい」と話している。
チケットは、前売り大人1500円、学生1000円、小学生600円。
当日大人1800円、学生1200円、小学生700円。
津演劇鑑賞会☎津228・9523、三重額椽☎津225・6588、県文チケットカウンター☎津233・1122で取り扱うほか7月8日までメールでも受付ける。氏名・枚数・日時・種類を記載しg-tsuen@hotmail.comへ送信。
問い合わせは劇団津演☎津226・1089(月・水・土曜の20時以降)

船上結婚式に応募しませんか!

船上結婚式に応募しませんか!

津新町通り商店街振興組合(森勝理事長)は11月23日、恒例の歩行者天国、『新町フェスタ』を開催するにあたり、午前中のメイン行事、和船山車・安濃津丸『船上結婚式』で挙式するカップルを募集している。
新郎新婦が『新町フェスタ』会場の津新町通りを安濃津丸の舳先に立って、随所で餅をまきながらパレード。沿道の市民に二人の晴れ姿を披露した後、藤堂高虎公を祭神とする高山神社の多田久美子宮司が祭司を務め、雅楽の生演奏が流れる中で、厳かに船上で挙式する津の名物結婚式。
カップルには同商店街振興組合から挙式費用一式と婚礼貸衣装(協力=すぎしん衣裳店・岡本総本店)に加え、商品券がプレゼントされる。
応募方法は、葉書にカップル各々の住所・氏名・年齢・職業を明記して、〒514─0034、津市南丸之内20─10、津新町通り商店街振興組合『船上結婚式』係へ。
締切は7月10日。応募者多数の場合は書類選考、面接審査を経て7月末までに決定する。
問い合わせ☎059・226・0363(平日10時〜16時)。

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