今年の花見は紀北町まで出かけた。柏崎のしだれ桜を見て、紀伊長島でおいしい魚を食べ、海岸沿いにゆるゆると伊勢まで戻ってくるルート。海岸沿いの道は国道二六〇号線である。二月に錦峠部分が開通したのも行ってみたい理由だった。
紀伊長島から国道四二号線を北進、道の駅マンボウ近くを右折して海岸近くを通る道が二六〇号線である。坂を登り、トンネルを抜け、坂を下ると錦という漁村。また坂を登り、トンネルを抜け、坂を下ると南伊勢町古和浦に着く。錦から古和浦の区間が新しくなって、時間もかなり短縮されたようだ。
南伊勢町には桜が多い。二六〇号線の沿道に桜の並木が延々と続く。その桜が満開であった。山があり、海があり、坂があり、トンネルがあり、桜がある。景色がきれいな上に車が少なく、走って楽しい道であった。
過疎地にあるりっぱな道を通るたびに、どれほどの事業費をかけて、どれほどの人が利用するだろうと考えてしまう。しかし、この二六〇号線はリアス式海岸の浦々を結び住民の生活を支える命綱のような道。山と山を橋でつなぎ、トンネルを掘り、というような工事には巨額の資金が必要であろうが、命綱なら仕方がないと思える。
以前は酷道と呼ばれる国道だったという。きれいになった今後は多くの人に観光道路として利用してほしいと思う。
(舞)