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春風に誘われ、ドライブに出掛けたくなった。ナビに目的地を設定したけれど、私の車のナビは古いから信用できない。山の中や畑の中を突っ切ることしばしば。いろいろと考えて補ってやる必要がある。
それでも特に不自由だとは思っていない。それほど出掛けるわけでもないし、地図データの更新をしてもすぐに古くなるだろうし、とのん気に構えている。
私のように、古いナビに付き合っている人も少なくないだろう。ナビの地図が古くて困るという話はよく聞くが、地図データを購入して更新したという人をあまり知らない。
二月には中勢バイパス津─久居間が開通した。ナビを更新はしないけれど、新しい道を通ったら、私の頭の中の地図が更新された。
新しい建物ができたり、古い家が壊されたり、目印の風景も少しずつ変わる。それを目にすると古い風景が消えてしまう。この空き地にあったのはどんな建物だったのか、この道は以前どれぐらいの幅だったのか、すっかり更新されて思い出せなくなってしまう。
自分が暮らしている町の十年前の様子が、もはや思い出せない。知り合いの若い時の顔も思い出せない。地図も風景も人の顔も、日々目に触れるあらゆるものを人は更新している。古い記憶を消して、新しい記憶で上書きする。即座に完璧に。 (舞)
2015年6月19日 PM 6:16