幼稚園バスが止まって女の子が二人降りてきた。白いブラウスに、チェックの吊スカート。グレーの箱ひだのプリーツスカートだ。
 どこの幼稚園の制服かは知らないけれど、小さい子の制服姿というのはかわいらしい。紺やグレーのような地味な色だとなおさらかわいい。
 そう言えば、私の小学校の制服も紺の箱ひだスカートだったと、遠い昔を思い出した。中学校の制服は、二十四本車ひだスカート。紺のウールサージの重いプリーツスカートだった。
 プリーツの数が二十四本と、変なところを覚えているのは、毎晩布団の下に敷いて寝たからだ。プリーツをきちんと並べて、その上にそっと敷き布団を乗せる。きれいなプリーツを保つための就眠儀式であった。プリーツをいい加減に並べると、線が何本もできて、翌日のスカートは悲惨なことになった。女子がだらしないかどうかはプリーツを見れば一目瞭然だった。
 今のプリーツスカートはプリーツ加工がしっかりされている。家庭で洗濯してもプリーツが消えない繊維もあるから、寝押しの必要はないだろう。
 ここ数十年で生活はずいぶん便利になった。明治から昭和の女学生が寝押しに費やした労力も、現代の中高生には不必要だ。彼女たちは、その代わりに何をしているだろう。聞いてみたい気がする。       (舞)