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1日、津市観音寺町に特定施設入居者生活介護事業所の「虹の夢 津」と併設の障害者の就労継続支援A型事業所「トモニス」がオープンした。
事業主体は津市雲出長常町の大型自動車用洗浄機などの製造販売を行っている「㈱ヒラマツ」=平松洋一郎社長=。施設は鉄骨造の地上2階建。総床面積は2921㎡。入居者一人ひとりに合ったケアプランを作成し、きめ細やかで手厚い介護をしてもらえる。居室には電動昇降洗面台や介護ベッドなど、充実した設備の中で、ゆったりと生活できる。
また、併設のトモニスでは、障害者たちが施設内の共用部分の掃除や洗濯などを行うことで、就労の場をつくると共に円滑な施設運営にも貢献。この高齢者福祉と障害者福祉を融合したスタイルで施設を運営している「㈱四国ライフケア」と業務運営提携を結び円滑な施設運営を行う。
3月19日にあった竣工式には、施設の関係者や職員のほか、前葉泰幸市長ら来賓も駆け付け、約60名で盛大に門出を祝した。
問い合わせ 0120・24・0456へ。
2015年6月19日 PM 6:04
三重大学の持つ知識を一般と共有しようと各分野の専門家を招き隔月ペースで開いている津市・津市民文化祭実行委員会主催の、第60回文化講演会?「発見塾」が3月28日、津リージョンプラザ2階の健康教室で開かれた。主管=津文化協会。後援=同大学、本紙。
今回の講師は同大学大学院生物資源学研究科の立花義裕教授。演題は「気象と市民生活」~異常気象が起る理由が分かると人生絶対得します~。
立花教授はまず、三重県は本州で一番雨が多く水災害の危険が大きいことや、自然災害で人が亡くなるというと突発的なことのように思われがちだが毎年、熱中症で多くの人が死亡していることについて説明し、「気象の予知ができると我々の健康にも影響する」とした。
次に、2011年の台風12号を例に挙げて、台風の進路が決まる仕組みの新説を紹介。また豪雨の発生や強度に影響するものについて「梅雨前線が遅くまで居座るほど、遅い時季に豪雨が増える。黒潮の水温や蛇行かどうかも関係する」などと語った。
続いて「北極振動(北極と中緯度の地域の気圧が相反して変動する現象)のパターンがわかると、全部ではないが、日本で猛暑や寒い冬になるかがわかる。夏の猛暑が予想できれば、人命が救えると思う」と話した。
最後に気象力に関する独自の標語7つを紹介した。内容は次の通り。
①「温暖化 ただしく理解 気象力」……地球温暖化や地球環境のことを正しく理解している人、それは気象力が高い人。
②「地球love ワクワクするぞ 気象力」……
気象力が身につくと地球の不思議にワクワクする人、地球を愛する人、そして地球に優しい人になる。愛する地球には、謎や未知が沢山あり、気候・気象にも謎がいっぱいある。地球を愛し、地球に愛される人、つまり気象力の高い人が増えた方が良い。
③「気象力 なんでもグローバルで みちゃう癖」……気象力が高まると物事をグローバルな視点で見る癖がつく。
大気は地球全体を覆っている。気象を理解するためには、地球全体のことを考えなければならない。そのような見方によって、国際的な政治問題、社会問題などの解決にも応用の利く国際感覚が自然に身につく。
④「天災で しにたきゃなけりゃ 気象力」……気象力が高い人ほど天災で命を落とす確率は低い。気象力は生きる力を強める。
⑤「海と陸 両方知りたきゃ 気象力」……異常気象や気候変動は、農業・食糧問題に直結し、水産資源の変化にも影響する。植生の変化や、黒潮などの海流は地球の気候や気象を変える。地球の生物圏を理解するためには、気象や気候のことをわかっていることが大事。
⑥「気象力 オリンピックで 金メダル」……2016年に三重県で高校生の国際地学オリンピック世界大会が開催される。
⑦「三重大で 気象力は ばっちりよ」……三重大学生物資源学部共生環境学科に入学すれば気象力を観測で極めることができる。
2015年6月19日 PM 6:02
春真っ盛りを迎え、通学・通勤といった生活の足としてだけでなく趣味などで自転車に乗る人が増えているが、兵庫県では自転車保険の加入が義務化されるなど、乗る側の責任も問われる風潮が強まっている。例え、運転者が少年でも加害事故で高額の賠償請求を命じる判決が出たり、自転車の交通違反で検挙されると自動車運転免許が免停になる場合もあるなど、自転車が〝車両〟であるという再認識が必要といえよう。
走る自転車や、歓送迎会も多いこの季節には飲み屋街で店から出てきた人がすぐに自転車に乗るという光景はそう珍しくない。
自転車は免許もいらず、便利な乗り物であると同時に、道路交通法上では軽車両に区分されている。それに伴い、交通違反に対する厳しい罰則規定が設けられたり、自転車の加害事故で高額の賠償請求を求められる判例があったりと、〝乗る側〟の責任が求められることを知らない人も多い。
津市内でも、危険運転をする自転車を見かけない日はない。自転車は原則的に自動車と同じ車道の左側通行と定められているにも関わらず、事故の原因となるような危険な右側通行を平然と行う者も少なくない。また自転車の通行が認められている歩道以外は、13歳以下の児童・70歳以上の高齢者・障害者や、交通安全上やむを得ない場合にしか自転車の通行は認められておらず、徐行する必要があるにも関わらず、猛スピードで歩行者と接触しそうになりながら走るといった事例も後を絶たない。
三重県内の自転車の交通事故(自動車との事故も含む)は平成25年の1150件に対し、平成26年は954件と減少しているようにみえる。しかし、死者数は平成25年の8名と比べると平成26年は18人と大幅に増加。交通事故死全体で見ても16・1%にも及ぶ。
平成26年に津署管内で自転車に行った指導警告は全部で875件。最も多いのは無灯火511件。次いで二人乗り120件。その次は携帯電話の使用と、いわゆるながらスマホ84件、信号無視や一時不停止などと続く。
ここには飲酒も12件含まれているが、自動車の飲酒運転の厳罰化を受けて「自転車なら大丈夫」との誤った認識を持っている人が少なくないことを表しているともいえるだろう。飲酒運転に限った話ではないが、自転車は自動車と違い、交通違反で検挙された場合、いきなり刑事罰が課せられてしまう。飲酒運転に関しても自転車の場合は自動車のような呼気中のアルコール濃度に応じて判定する酒気帯び運転は無く、酒酔い運転(検挙した警察官が判断する)のみで、5年以下の懲役または100万円以下の罰金と罰則も重い。それだけでなく、自動車の運転免許を持っている場合は免停になる可能性もある。その他に関しても、厳しい罰則が定められている。
罰則以外でも、自転車に課せられた責任は大きい。兵庫県が自転車保険の加入を全国で初めて義務化したことが話題になっているがこの発端は神戸市で起こった自転車と歩行者の衝突事故だ。この時、自転車に乗っていたのは当時小学生だったにも関わらず、被害者に酷い後遺症が残ったため神戸地裁より9500万円の賠償を命じられてる。この他にも、被害者に重い後遺症が残ったケースでは数千万円の賠償が命じられるという判決が続いている。自動車保険と違い自転車保険の加入者は少ないため、高額賠償を命じられた場合に支払いに窮するケースは少なくない。そこで同県では条例による義務化に踏み切ったという訳だ。
三重県では義務化の動きはないとはいえ、この春から自転車通学をすることになった子供がいる家庭などは、保険について気になるところだろう。そこで、ある保険代理店の男性にアドバイスを求めたところ「別途で自転車保険に入らなくても、保険会社にもよるが家族の誰かが自動車保険に加入していると月数百円程度で家族が自転車事故を起こした場合にも使える特約をつけられる。ただし、最近はできる限り特約を外して月額保険料を圧縮していることもあるので一度確認した方が良い」と語る。
国も自転車事故の深刻化を受け、今年6月より、3年の間に2回以上、酒酔い運転・信号無視などで警察に摘発された悪質な自転車運転者に対して安全講習を義務化するなど、状況の改善に力を入れる。
昨年は津署管内でも2人の死亡者と96名の負傷者が出ている。同署では、これら事故の主な発生原因を自転車利用者の交通ルールを守る意識の欠如や認識不足と分析する。つまり、乗る側の意識が変われば、交通違反や事故はもっと減らせられるということだ。
前述の数字には、自動車との事故も含まれているが自転車は自動車から見た弱者である一方、歩行者から見た強者であり、その責任が求められる風潮にあることへの理解が必要だ。
身近で便利な乗り物である自転車だが、その〝乗り方〟を知らない人は想像以上に多い。新年度を迎え、生活の足や趣味で乗る人が増えている春にこそ、今一度交通ルールを再確認する必要があるだろう。
2015年6月19日 PM 5:55