2015年7月

東日本大震災以降、大地震発生に伴う津波で浸水被害が予測されてる津市沿岸部の土地の取引価格が下落し、固定資産税の評価額と大きなへだたりが生じている。該当する土地の売買が難しくなっているという背景も含め、納税者にとって納得のいかない負担になっているばかりか、遺産相続を妨げ、空き家や未利用地を生む深刻な要因となり兼ねない。税の減免制度の創設といった津市の積極的な対応が求められている。

 

今年は3年に一度行われる固定資産の評価替えの年に当たる。前回の評価替えから東日本大震災の影響で大地震の際に津波で浸水が予想される津市沿岸部の土地は津市が提示する固定資産税の評価額が平均11%下落。内陸部平均4%と比べるとその差は明らかだが、「震災前の3分の1以下になった沿岸部の土地も珍しくない」という市内の不動産業者の証言があるように、実際の取引額はそれを遥かに下回っているのが実情。当然、納税者からは不満の声があがっている。
市税である固定資産税は津市が、総務大臣の定める評価基準に基づき、国土交通省と県が発表している地価公示や不動産鑑定士による評価などの情報を基に、算出している。前回から今回の評価替えの間にも、地価の下落があった土地に関しては、内陸部で2%、沿岸部で4%の下方修正を毎年加えて対応してきたが前述のような実情がある。
震災以降、津市も津波による浸水域を示した予測図を作成し公開している。それも相まって、国道23号沿い、近鉄道路沿いと海に近くなる度に、土地の購入をためらう消費者が増え、取引そのものが厳しい状況が続いている。また、国は土地取引の際に、不動産業者に浸水予測図などの添付をするよう指導しているが、それも購入を踏み止まらせる一因となっているという。
津市がとれる対策として1つ目は、土地の評価額を取引価格に見合うものすることがあげられる。実際に都市計画道路の建設予定地などは、用途が制限されるという理由で周囲よりも評価額が下がっている。しかし、この方法で固定資産税は安くはなるが、それに伴い資産価値も大きく目減りしてしまう。銀行で該当する土地を担保に融資を受けている人もいるため、混乱を招く要因となり兼ねないので、安易な判断は得策と言えないのが実情だ。
残されたもう一つの対策は、一定条件に該当する土地の課税標準額を減免することだが、これを行うには地方税法の改正にまで踏み込む必要がある。現状を重く見ている津市は、東海4県の96市でつくる「東海都市税務協議会」への要望を提出。実現に向けた他市との連携を模索している。
震災以降、高台を中心に住宅地の造成が進み、中には沿岸部より固定資産税が安くて浸水の恐れもないという〝逆転現象〟が生まれているケースも見受けられる。このような背景からも現在の納税者のみならず、将来的に遺産相続が発生した場合に、空き家や未利用地が発生する原因にもなり得る問題と言える。
長い海岸線を持つ津市にとって非常に頭の痛い問題だけに、今後も問題解決へ向けた積極的な取り組みが求められよう。

津市榊原町の湯元榊原舘で8月4日、9月8日、10月6日、11月17日、12月1日(何れも火曜)の13時半~14時半、『笑いヨガ教室』が開かれる。
笑いヨガ(ラフターヨガ)は、笑いとヨガの呼吸法を組み合わせたエクササイズ。笑うことにより多くの酸素を自然に体に取り入れて、心身共にすっきりして元気になることができる。
▼講師=三重ラフター(笑い)ヨガクラブの前川満千江さん。
▼定員=各回20名。最少催行人数は各回5名。
▼持ち物=汗ふき用のタオル、飲み物。動きやすい服装で参加すること。
▼費用=一回1500円(税込み。笑いヨガ終了後、まろみ健康ジュースまたはコーヒー1杯付き)。
▼参加希望者は事前申し込みが必要。
申し込み・問い合わせは湯元榊原舘☎059・252・0206へ。
▼申し込み締め切り=開催日の3日前。ただし定員に達し次第終了。

津市芸濃町のボランティアガイド団体「芸濃ふるさとガイド会」では、8月12日に催すバスツアー『芸濃名所めぐり』の参加者を募集している。共催=津市芸濃総合支所地域振興課。
雨天中止。
同会は、今春にも、同支所との共催で「芸濃名所めぐり」を10回実施し、9月~12月にも11回行う予定。 今回のツアーは、同町楠原で地区を挙げて行われる盆の伝統行事「精霊迎え」を参加者に見てもらおうと企画したもの。同行事は、死者や先祖を供養するためのもの。行事の一環で、8月11日~14日、楠原地区の全戸約110軒の玄関に燈籠が燈される。
バスツアーの要項は──
▼コース=14時50分に津駅東口からすぐのホテルサンルート前集合~15時出発~芸濃資料館~石山観音~伊勢別街道の楠原宿散策~津駅。20時終了予定。
▼参加費=1000円(保険代、夕食代、土産代など含む。バス代は無料)
▼参加申し込み方法=所定の申し込み書に記入し同課へFAX津266・2522。
▼定員は先着20名
▼申し込み締め切りは7月31日
▼問い合せは同課☎059・266・2510(月曜~金曜8時30分~17時15分)へ。

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