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6月1日から安全運転規定を違反した自転車に安全講習を義務付ける新制度が始まったが、約1カ月間で三重県警が「危険行為」として検挙した数は0件だった。だが、それほど自転車の交通マナーが改善したかというと、街頭では車道の右側走行(逆走)、傘差し運転といった摘発の対象となる危険行為を当たり前のように目にするのが実情だ。夏の県民交通安全運動のこの機会に、自転車の交通ルールの再確認が必要だ。
先日、警察庁が発表した新制度が開始した6月1日から同30日の集計によると取締りの対象となる危険行為をして検挙されたのが549件。3年以内に2回摘発されると、安全講習の受講が義務付けられているが今のところ対象者は出ていないという。
検挙数の内訳は、警視庁189件、大阪府警121件、愛知県警51件と大都市圏に集中しており、三重県警では0件だった。では、大都市圏と比べて三重県内の自転車搭乗者が交通ルールを遵守しているのかというと、そうとも言い切れない実情がある。
出勤・通学時間に街頭に立つと短い時間でも、それは顕著だ。正面衝突の原因になるため、非常に危険な車道や路側帯の右側通行(逆走)や、イヤホンをつけたままの運転、いわゆるながらスマホ、雨の日には傘差し運転も数多く見かける。日が暮れるとこれに無灯火が加わる。新制度に伴う報道で少しずつ違反についての認識が改まってきてはいるものの、依然として、このような危険行為が横行している。
もちろん、三重県内の各警察署でも危険行為を見つけ次第、取締りを行っており、平成26年度で2600件以上の指導警告を行っている。しかし検挙の数は昨年検挙度で2件と非常に少ない。原則的に、危険行為で繰り返し指導警告を受けた者が、検挙に至るという流れは全国共通だが、自動車とは違い、検挙されると、いきなり刑事罰が科せられてしまうことも警察が慎重になっている一因と考えられる。
一方で、このままいけば新制度は都会でしか機能せず、地方では形骸化してしまう危惧もある。自転車の交通マナーの改善を期待した者たちは、やや肩すかしを食らったと感じてしまうのは仕方のないことだ。
自転車は、誰もが乗れる便利な乗り物であるが、法律上、自動車と同じ車両であり、搭乗者に相応の責任が求められる。酒酔い運転で検挙されれば、5年以下の懲役または100万円以下の罰金と自動車の運転免許を持つものは、免停になる可能性もあるなど厳しい罰則が設けられているのはその最たるものだろう。
現在、ちょうど夏の交通安全県民運動の期間中。自転車搭乗者が、交通ルールを改めて確認し、遵守するための好機と言えよう。
2015年7月16日 AM 5:00