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2015年8月
「津観光ガイドネット」はこの10月から来年3月まで全10回にわたり『JR名松線復旧記念ウォーク~奇跡の名松線 各駅停車ええとこめぐり~』を同線津市内各駅区間で開催する。来年3月全線復旧する予定の同線の観光路線としての価値を高める一助にしようと企画されたもの。沿線のガイド3団体が初めて連携し名所旧跡を歩いて案内するなど、歴史や自然を満喫できる充実の内容で、同線の魅力を広く発信する。
松阪駅~伊勢奥津駅(津市美杉町)に至るJR名松線は平成21年の台風18号で被害を受け、現在も家城駅(津市白山町)~伊勢奥津駅間が運休中。バスで代行運転が行われている。
一時は廃止の危機にあったが、「名松線を守る会」など沿線住民の熱心な存続運動もあって一昨年から復旧工事が始まり、来春、全線復旧される予定。しかし沿線の過疎化などで従来から利用者が少なく、活性化には他地域からの誘客が喫緊の課題となっている。
そこで津市内14のボランティアガイド団体で構成する「津観光ガイドネット」=西田久光会長=では同線振興の一助になればと、津市一志町・白山町・美杉町にある同線の全12駅やその周辺で実施する『JR名松線復旧記念ウォーク~奇跡の名松線 各駅停車ええとこめぐり~』を企画。
沿線のガイド3団体(一志町歴史語り部の会・白山道しるべの会・伊勢本街道美杉会)や、津市商工会、市民活動団体「名松線を元気にする会」の会員、市関係部署職員など17名で構成するプロジェクトチーム=吉村武司会長=を発足し、6月からコース設定のための現地調査や会議を重ねている。
設定したコースでは、ガイド3団体の案内で各地域の名所旧跡や企業、窯元なども巡る。また全10回とも1区間以上名松線に乗車すると共に、土産・地場産品販売コーナーを用意。更に10回中3回、ゴールで食のおもてなしを実施し、同線や沿線地域の魅力を存分にアピールする。
津観光ガイドネットでは「駅と駅の間の片道は歩き片道は名松線に乗り、列車や、沿線の歴史・自然の風景も楽しんで頂きます。例えば雲出川家城ラインの風景は、かつて津藩のお殿様も見物に訪れた名勝です。美杉では今年93周年の現役水力発電所や、新発見の中部・近畿最古の五神名地神碑も案内します」と話す。
ウォークの内容は── 【第1回】10月4日=津市一志総合支所前に7時45分~8時10分集合・受付。一志駅~伊勢八太駅《乗車・運賃140円》~尾張徳川家ゆかりの青巌寺~白鳳時代の班光寺跡~江戸時代の班光寺跡~現在の班光寺(寶善寺)~初瀬街道~一志総合支所(11時半~12時半頃帰着予定)。約4㎞。
【第2回】10月18日=一志総合支所前に9時半~9時50分集合・受付、一志駅~井関駅《乗車・運賃140円》~大平岩~延命寺~井関製糸跡~初瀬街道~おやつカンパニー本社~一志総合支所(12時半~13時頃帰着予定)。約4㎞。
【第3回】11月29日=一志総合支所前に9時半~9時50分集合・受付、一志駅~伊勢大井駅《乗車・運賃190円》~初瀬街道(大仰宿、堰跡)~大井公民館(昼食。※弁当を持参すること)~成福寺~大仰有料橋跡~軽便鉄道誕生寺駅跡~華香寺跡~井関駅~一志駅《乗車・運賃140円》~一志総合支所(14時半頃帰着予定)。約7㎞。
【第4回】12月13日=一志総合支所前に9時半~9時50分集合・受付、一志駅~伊勢大井駅《乗車・運賃190円》~白山比咩神社(井生)~真長寺~白山比咩神社(川口)(昼食。※弁当を持参すること)~伊勢川口駅~一志駅《乗車・運賃210円》~一志総合支所(14時半頃帰着予定)約6㎞。
【第5回】1月10日=白山総合支所前に9時半~9時50分集合・受付、同総合支所~河口頓宮跡、東光寺~廃高田寺(瀬古集会所。昼食。※弁当を持参すること)~宝蔵寺~善性寺~伊勢川口駅~関ノ宮駅《乗車・運賃140円》~白山総合支所(14時頃帰着予定。ここで食のおもてなしがある)。約6㎞。
※第6回(1月24日)、第7回(2月7日)第8回(3月6日)、第9回(3月20日)、第10回(3月27日)の詳細は後日、本紙で告知する。
▼雨天決行、警報発令時は中止
▼参加費は無料だが、コース中の名松線の各駅間の運賃は自己負担。9回・10回は弁当一括注文(自己負担)
▼申込みは氏名・年齢・住所・☎・FAX番号・参加を希望する月日(一括申込み可)・交通手段(車・JR・近鉄)を記入しハガキまたはFAXで。宛て先は〒514─0009 津市羽所町700 アスト津2階 津市観光協会内「名松線めぐり」係。FAX津221・0811
▼申込み締切りは各開催日の1カ月前必着(第1回は9月4日。第2回は9月18日)。定員は各回先着100名
▼各回毎に記念缶バッジ進呈。全10回参加の人には別途フル参加賞を用意
▼問い合わせは同協会内の津観光ガイドネット☎津246・9020へ。
2015年8月27日 AM 5:00
20日、中部電力三重支店は「パパ応援プロジェクト」の一環で、従業員の子供による職場訪問企画「こども参観日」を初開催した。
父親が働く職場の様子を子供たちに見てもらい、理解を深めてもらうのが目的。また、職場の上司や同僚に家族の顔を知ってもらうことで、休暇取得などにも配慮できる職場づくりもめざしている。従業員17名の4歳~12歳の子供22名が参加した。
父親たちと一緒に通勤電車に揺られて会社に来た子供たちは、まずは三重県、愛知県、岐阜県、静岡県、長野県に電力を供給する中部電力の会社概要を勉強。
その後、子供たちは4班に分かれ、それぞれの父親たちが働く部署を見学。子供たちが同僚や上司に、自分の父親の仕事ぶりを訪ねると、いつも一生懸命働いていたり、ムードメーカーとして職場を和ませていたりと、家庭での普段の姿とは違う一面が語られて驚いていた。
更に、子供たちは片岡明典支店長にも「お父さんはちゃんと仕事をしていますか」と質問。「いつも頑張ってくれていて、頼りにしている」という答えが返ってくると嬉しそうだった。
そのほか、中部電力の仕事を知るために、高さ15mの高所作業車に乗ったり、県内のほぼ全域に電気を供給している三重給電制御所も見学していた。
四日市市立羽津北小学校4年生の豊住梨央ちゃん(9)は「家ではソファや椅子に座ってのんびりしているけど、仕事場の姿はいい」と笑顔。父で総務グループ所属の直記さん(37)も「こそばゆいが子供に仕事のことについて、知ってもらえてよかった」と話していた。
2015年8月27日 AM 4:56
〽虫の音を止めて嬉しき庭づたい
開くる柴折戸桐一葉 えぇ憎らしい秋の空
月はしょんぼり雲がくれ
虫たちの声が涼しさを運び、やっと夏の暑さから解放され、庭の秋草も色めいて、秋の気配を感じる季節になりました。
私は小唄と三味線を教えさせていただいておりますが、秋の季節がまいりますと、この虫の音をどなたかにお教えしたくなります。 小唄は俳句と同様、大変季節を大切にいたします。この唄は明治中期に作られた代表的な江戸小唄の一つで、歌詞も作曲も整った小唄ですが、作詞、作曲者は共に不明です。
秋の夜、庭づたいに、たずねてゆく、色気のある情景が、まことに調子よく、歌詞にも曲にもあらわれております。秋虫の音は、鈴虫、松虫、くつわ虫、こおろぎでしょうか、庭草に涼しく集く虫の音を、止めさせないように、静かに草むらをよけて、庭石づたいに歩いてゆくと、そこに柴折戸があって、そっと開くと同時に、桐の一葉がはらりと落ちるあたり、秋の夜の情景が遺憾なくこの小唄にあらわれております。折角忍び足でたずねていっても、主は不在だったのでしょうか、「えぇ憎らしい秋の空、月はしょんぼり雲がくれ」と結んで、淋しい落葉の秋にことよせた恋の唄でございます。
次に江戸時代初期に作られました、東海道の鈴鹿峠(三重県と滋賀県に跨がる)を往来する馬士達によってこの地に、古くから唄われております鈴鹿馬士唄を御紹介いたします。
〽坂は照る照る 鈴鹿は曇る
間の土山 雨が降る
この「坂はてるれる」の坂は鈴鹿峠の南麓の坂ではなく、土山に次の宿「松尾の坂」だといわれております。当時、松尾の坂から土山へは、下り坂になっていたので、馬士達は京都の客を水口から、松尾の坂を下って、土山にかかり、それから鈴鹿峠へとかかる所を唄ったものだと思われます。
そしてこの唄の意味は、松尾の坂を下る時は、かんかんに晴れていても、鈴鹿峠はいつも曇っていて、その間にある土山は雨の名所といわれる名の通り、雨が多いという唄でございます。この馬士唄は芝居小唄の中や、人形浄瑠璃、地唄にも多くとり入れられ、唄われております。
小唄の内容には、季節を唄ったもの、恋心、男女の機微を唄ったもの、田舎唄など様々でございます。一分から四分位の楽曲として、表現されており、短い曲の中に、伝統的な邦楽のエッセンスがギュッと凝縮して入っております。
私はこれから少しでも、多くの皆様が小唄に興味をお持ちいただけるよう、お役に立てればと願いながら、大好きな小唄を伝えていきたいと思っております。
(小唄土筆派三代目家元)
2015年8月27日 AM 4:55