「近頃ショッピングが楽しくなくてね」と友人が言う。以前は、店に並ぶさまざまな物を見て歩くだけでも楽しめたのにと。
他界した親の家を片付けているうちに、だんだん心境が変化したという。大量に買い込まれた日用品。箱に入ったままの贈答品。そして、買ったことさえ忘れたのか、同じような道具類。それらを整理するうちに、物を増やしてはいけないとつくづく感じたそうだ。
断捨離を心がけている私も、この間からコーヒーカップやガラス器を捨てている。きれいだけれど、一年に数回しか登場しないうつわ類。捨てたところで、不自由はない。もう二度と同じような物は買うまいと思う。そして他の物も買えなくなった。
どうも、物を処分すると物欲がなくなるようである。家に物が少なくなるから、また買えそうだが、いらないのである。持てる者はますます持ち、持たざる者はますます乏しくなる。
店に並ぶ品々を前に、生きて行くのに必要か否かと問えば、必要でない物の方が多い。不必要な物を持つことをゆとりという考え方もあるが、読書や芸術鑑賞など、物を持たなくとも心豊かに過ごす手段も存在する。
友人は今の状態を「解脱」と表現した。物欲という煩悩から解放され、自由の境地に至ったわけだ。「解脱した」が私の周囲での流行語である。
(舞)

「ポチ」と名付けられた3台目の車に乗る林さんと、孫たち

「ポチ」と名付けられた3台目の車に乗る林さんと、孫たち

津市安東町の林弘康さん(67)は、趣味で遊戯用の小型自動車を制作し、市内の幼稚園や洋菓子店等で子供達を乗せて喜ばれている。6月には約3カ月かけて作った3台目の車が完成した。
林さんは消防職員として
41年間勤め、定年退職した。元々もの作りが好きで、以前にも、工事用の足場に使われるパイプなどを利用して孫のための遊具を作ったそう。小型自動車の制作は約8年前から、子供達に遊んで喜んでもらおうとの思いで始めた。
最新作の3台目は、汽車をイメージして制作した2台目が今年に入ってから壊れてしまった事もあり、3月頃から作り始めたもの。解体屋や友人から入手した田植え機のエンジンや、スクーター・軽四輪のタイヤなどが使われている。
運転席部分とベンチが3基並び子供なら9人・大人なら6人が乗れる、2台目の座席より広い座席部分が連結されており、車体は幅約90㎝・長さ約4m。ハンドルの横に速度調節用のレバーがあり、最高時速は約6、7㎞。
また、ベンチには、レトロな雰囲気にしようと木を使用。運転席部分の前面には、簡単に付け替えられる磁石で可愛らしい顔などがデザインされている。
制作場所は自宅敷地内の倉庫。独学やプロから学んで身に着けた溶接や木工などの技術も生かし、溶接の仕上がりが気に入らずやり直すなど様々な試行錯誤を経て完成させたそう。
孫のサコラヴスキー恵麻ちゃん(7)・仁那ちゃん(5)姉妹にも好評で、9月には、仁那ちゃんが通う安東幼稚園で園児達に乗って楽しんでもらう予定。
「子供が楽しんだり喜んでくれるのが良いです。3台目は、小回りが利くように運転席と後ろの席の連結部分の長さを工夫しました。今後はこの車のボディか後ろの乗る部分にLEDの電装を付けたい。また、ラジコンで大きなものを作ってみたいです」と林さん。

最優秀賞を獲得した久居農林の生徒たち

最優秀賞を獲得した久居農林の生徒たち

7月25日、津市高野尾町の三重大附属農場で、県内の高校生と大学生によるエディブルフラワー(食用花)を使ったオリジナルスイーツレシピづくり大会が開催された。
このイベントは、来年6月にオープン予定の高野尾地区活性化プログラムの核となる農業交流施設「花と緑と水の里(仮称)」で販売するために三重大と㈱赤塚が共催したもの。同大のほか、三重短大、高田短大、高田高校、久居農林から36名が参加した。
大会に先駆けて6月に実施されたイベントで、参加者はエディブルフラワーの味や香りを勉強。この日に向けて、約1カ月間レシピづくりを進めてきた。
レシピに使用したのはナデシコなど6種類。色とりどりの美しい見た目だけでなく、苦みや独特の香りといったクセになる部分まで、上手く生かすのが、調理のポイントとなった。
審査の結果、久居農林3年の葛城彩さん(17)ら3名による甘酸っぱくほろ苦い夏の恋の味をイメージしたという華やかなキンギョソウをあしらったタルトが最優秀賞に選ばれた。

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