東海道五十三次を題材にした出品作品

東海道五十三次を題材にした出品作品

津市丸之内養正町のNHK津放送局1階にある津ぎゃらり~で、昨日19日から23日までの10時~17時(23日のみ16時終了)、『白塚伊勢型紙愛好会』による作品展が開かれている。
同会の会員は、白塚公民館=津市白塚町=で月2回開かれている伊勢型紙講座のメンバー11名。先輩の会員が後輩に教えるなどしながら、同講座や自宅でも制作活動に励んでいる。
今回は、東海道五十三次や、会員自身が写真撮影した風景、浮世絵などを題材に制作した力作約28点を展示している。
同会の世話人である永井実さんは「伊勢型紙という伝統工芸を続けようと一生懸命やっています。会員には、伊勢型紙を始めて1年になっていない人から数十年やっている人もいる。それぞれの特徴を見てもらえれば」と話している。

津観光ガイドネットでは、10月25日(日)に行われる『第4回津ふるさと学検定』の勉強をサポートするため、5月~9月に市内各地で現地説明会を実施中。検定問題を作った市内のボラガイド団体が集合場所周辺を歩いて案内する。
9月の実施日・時間、集合場所は─▼12日13時~16時、JR伊勢奥津駅前▼13日9時~12時、サンデルタ香良洲▼19日9時~12時、津駅西口▼20日9時~12時、白山郷土資料館▼26日13時~16時、高田本山専修寺唐門▼27日9時~12時、芸濃町林・閑翁寺駐車場
雨天決行。参加料は1回200円(資料・保険代)。申込みは住所・氏名・☎・参加希望日を記入(一括申し込み可)し、葉書で〒514─0009、津市羽所町700、アスト津2階 津市観光協会内「検定現地説明会」係へ。またはFAX津221・0811で同じ宛て先へ。申込み締切りは各実施日の10日前必着。
問い合わせは津観光ガイドネット☎059・246・9020へ。

気になる赤い鳥居

気になる赤い鳥居

津観音を後にすると、すぐ道路の向こうに気になるものが見える。民家と民家の間を走る細い道に小さな赤い鳥居がかかっているのだ。やはり、お稲荷さんだろうか。奥を軽く一瞥しすると、少し先に御社があるようだ。
興味がわいたら即行動。この旅の信条である。近くの交差点から道路の向こう側に渡り、自転車を押して鳥居をくぐってみる。参道沿いには民家が立ち並んでいるので現世と常世を分かつ境界と呼ぶには少し厳かさに欠ける。だが、人々と共にありたいという祭神の神性が垣間見えるような気がして、親しみを感じてしまう。徒歩のまま進むと、「村社稲荷神社」に到着。
お稲荷さんは元々、ネズミから穀物を守る農業神として崇められていたが、江戸時代から現在に至るまで商売繁盛の神として広く信仰を集めている。神社の境内はこじんまりとしているが、綺麗に手入れされている。人々は神々を敬い、神々は人々を守る。それは、決して肩肘を張るようなものでなく、ごく当たり前のように日々の営みに溶け込んでいる信仰の形。身近な存在である地域の神社は、そうやって守り受け継がれてきたのだ。決して信心深くない私ですら、この流れを意識すると、現代社会を支える人間のはしくれとして身の引き締まるような思いになるから不思議だ。

県都津市の玄関口「津駅東口」

県都津市の玄関口「津駅東口」

ここからは、国道23号の東を並走する道を津駅へ向かっていく。23号沿いはなるべく走りたくない。車道を走るのが危ないからだ。歩道の徐行を許されているものの、自転車が本来走るべき場所ではないため、居心地が悪い。自転車が車両であると強く意識するようになってからは、特にそう感じるようになった。
道路行政に、物申したいことを思い浮かべながら、ペダルを回すうちに津駅東口のに到着した。鈴鹿市で生まれ育った私にとって、津市の最初の風景といえばここだ。今からちょうど20年前。当時、高校1年生だった私は津駅近くの会場で行われた模試を受けにきていた。その時のことは今でも鮮明に覚えている。
改札を出た瞬間にまず感じたのは、流れる時間の緩やかさ。鈴鹿市は北勢の工業地帯の一角を占める工業都市である。一方の津市は歴史的にも行政や学問などの機能が集約した都市。互いの違いを一言で表現するならば、動と静。自ずと両者の間に流れる空気が違ってくるのも必然だろう。
当時、そんなことを知る由もないが、初めて出会ったこのまちに言い知れぬ好意を抱いたのは確かだ。もちろん将来、こんな仕事に就くことになろうとは夢にも思っていなかったが。
アスト津を筆頭に、あの頃と少し景色は変わっているが、ここに流れる空気は変わっていない。県都の玄関口としては少し寂しいという声もあるが、私個人としては、決して強く主張はしないが〝本質〟に触れた時に初めて分かる津市らしい奥ゆかしさが表れているようで嫌いにはなれない。
景色とは、そこに暮らす人々の思いが無数の細胞のように集まり、長い年月をかけてつくりあげられていくもの。また、20年先にはここの景色とそこに流れる空気はどうなっているのだろうか。変わるものと変わらないもの。期待と不安を胸にここを後にした。(本紙報道部長・麻生純矢)

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