本名孝至さん

本名孝至さん

千種清美さん

千種清美さん

石上陽祥さん

石上陽祥さん

8月30日、津市栄町の四天王寺で、伊勢国際宗教フォーラム津大会の夏期講座『寺院で学ぶ神道 津~伊勢の祈り』が開催された。
同フォーラムは、古来より仏教、儒教、道教などの外来思想を取り入れながら豊かな精神文化を築いてきた日本の原点に立ち返り、宗教の枠組みを超えた新しい価値観の創造が目的。今回は、明治時代に神仏分離が行われる以前、広く我が国の人々に広く親しまれてきた信仰の形「神仏習合」が大きなテーマ。
最初に、津八幡宮禰宜の石上陽祥さんが「津八幡宮について」という演題で講演。石上さんは、津藩2代藩主の藤堂高次が千歳山にあった同神社を寛永9年(1632年)に現在地に移し、藤堂高虎公を祀ったが当時は神官だけでなく神社に奉仕する僧侶の社僧がいたことなどを説明した。
次の講師は、伊勢神宮にまつわる著書でも知られる文筆家の千種清美さんが、「お伊勢参りの神仏」と題して講演。千種さんは寛政9年(1797年)に発行されたお伊勢参りの案内書「伊勢参宮名所図会」に描かれている各所を解説した。中でも、聖徳太子の開創と伝わる津市随一の古刹・四天王寺、真宗高田派の本山である専修寺、天照大神の本地仏(同一存在)の国府阿弥陀如来が信仰を集めていた津観音のにぎわいに着目。加えて、江戸時代の伊勢神宮には僧侶たちが、しきたりに従い、正宮前から川越しに参拝するための僧尼拝所が設けられていたことも紹介。「日本人の信仰は神にも仏にも手を合わせる。それが伊勢神宮参拝の道程を見ても分かる」と語った。
最後は淡路島にある伊弉諾神宮の宮司・本名孝至さんが「古代の祈りから神仏習合へ」というテーマで講演。伊弉諾命と伊弉冉命による国生み神話によって最初に生み出されたとされる淡路島。同神社は伊弉諾命が天照大神に主神の座を譲った後に過ごした場所に創建されたと伝わており、古事記や日本書紀にもその名を連ねている。本名さんは古来より日本人が様々な教えを取り込みながら神仏習合が生まれていった過程を説明。他の国とは一線を画する穏やかな国民性を称えると共に「現代の人々も、喜びの時には神様。悲しい時は仏様。個人的な願いをする時には仏様。大きい願いをする時には神様というのが自然にできている。 更にクリスマスのお祝いもするなど、柔軟に受け入れていくのが日本の信仰」と締めくくった。