夜遅く台所でお茶を焙じていたら、どこからか虫の声がした。リリリッリリッと鳴いているのはコオロギだろうか。家の中に入り込んだのかもしれない。リリリリリリッ。
昔の家にはよく虫が入り込んだものだ。コオロギ、カマドウマ、カネタタキ、ゴキブリ、クモ。だから秋の虫の声は家の中でも聞こえた。しかし、それも昔話。こうして独り台所で虫の声を聞くのは珍しいことだ。
俳句の世界で虫と言えば秋に草むらで鳴く虫のこと。虫の声を楽しむ文化が日本にはある。スズムシの鳴く声を聴く会があちこちで行なわれる風流な国だ。
聞いた話によると、西洋人は虫の発する音を機械音や雑音と同様に右脳で処理するそうだ。対して日本人は、人間の声や言葉と同じ左脳で処理する。だから虫の音(オト)ではなく虫の声と表現するという。
私たちは虫や鳥の声を巧みに言い表し、共通語として認識している。チンチロリンと言えばマツムシで、スイッチョンと言えばウマオイで、カナカナと言えばヒグラシで、ピーヒョロロと言えばトンビ。西洋には猫や犬の鳴き声の擬音があっても、虫や鳥の鳴き声の擬音はたぶん存在しないだろう。
世界を基準にすれば、窓の外のセミの声を聴き分けられる私は特技を持っていると言えるかもしれないと考えた夜。           (舞)

「八の会」の会員たちと四天王寺東堂の倉島昌行さん(左から3人目)

「八の会」の会員たちと四天王寺東堂の倉島昌行さん(左から3人目)

津市栄町の四天王寺では女性会の手芸部員たちが、伊勢の津七福神の運営資金を得るために、津まつりで販売する多彩な手芸品づくりに取り組んでいる。
伊勢の津七福神は、3年前に始まった津市内にある7社寺が、神道や仏教という宗教の枠組みを超えて連携した霊場めぐり。それぞれを七福神の一柱としており、同寺は五穀豊穣の大黒天霊場に定められている。
伊勢の津七福神の発案者である同寺の東堂・倉島昌行さんの呼びかけもあり、女性会「八の会」の会員有志は伊勢の津七福神の開創当初より、運営の支援を目的に、手芸品を作製。津観音の鬼押え節分会や津まつりで販売してきた。最初は製作に係わっていたのが2、3人だったが、やがて10人くらいになったため、手芸部を設立。毎週火曜日に林恵美子さんの指導を受けながら、ティッシュケースや巾着などをアイデアを出し合いながら製作。材料費などの必要経費を除いた分を活動費としている。
手芸品は、10日・11日に津観音の本堂内で販売。

観音公園の清掃に参加した会員たち

観音公園の清掃に参加した会員たち

9月20日、津市大門の観音公園で、津市内の電機メーカーの労働組合員で構成する『三重県中立友好組織懇談会中勢地区居住者会』=吉田博康会長=がクリーンアップ活動を行った。      同会は電機連合会三重から活動費を支給され、各労組の枠を超えた会員交流を目的にレクリエーション活動などを行っている。
今回は津まつりを3週間後に控えていることから中心市街地を美しくしようと同公園と周囲の清掃を企画。大人と子供合わせて55名が参加した。準備には、川崎正次市議も協力したため、市との連携もスムーズだった。ゴミは多くなかったが、ガラスの破片など危険物も落ちていたため、参加者たちは念入りに清掃を行っていた。
吉田さんは「今後も奉仕活動を継続しながら、津市の良いところを会員の皆さんに伝えていきたい」と話していた。

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