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三重県保険医協会は「入れ歯の日」の10月8日(木)15時~16時、津市栄町の四天王寺で「入れ歯供養祭」を営む。現在、供養する入れ歯を受け付けている。
「針や人形の供養があるように、お世話になった入れ歯に感謝の気持ちを持ってほしい」との考えから99年から同寺で行われているもので、現在は岡山県など県外でも営まれている。
参加費は無料で供養費等も不要。
当日は14時半から受付開始、15時から「入れ歯供養祭」開会、15時05分から祭文朗読。15時10分から読経・参加者線香・四天王寺住職による歯に関する話など。15時半から講話・閉式。15時50分から敷地内にある「入れ歯供養塔」に移動し埋葬、終了は16時の予定。
問い合わせ・申し込みは同協会☎059・225・1071へ。
2015年10月1日 AM 4:55
八雲神社からは、再び赤部の集落を経て、のどかな農道を河芸総合支所の方へとのんびりと走る。「この道は、ここに繋がっていたのか」と一人で頷きながら笑みを浮かべる。本当にささいなことだが、未知が既知へと変わる瞬間の快感は何ものにも代え難い。読者の皆様方に、未知をお届けするためにも、こういった積み重ねを日頃から心がけている。
河芸総合支所の前を通り再び伊勢鉄道の線路をくぐる。しばらく々に覆われた坂道を登ると、本城山青少年公園に到着。兄・織田信長との戦いで夫・浅井長政を失ったお市の方と、3人の娘である茶々、初、江が過ごしたと言われている伊勢上野城跡にある。そのおかげで、2011年のNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国」の放映時には、数多くの観光客が訪れた。
公園の中の小高い丘の上には展望台。早速登って四方を見渡してみると、なぜこの場所に城を建てたのかが自然と理解できる。近隣の集落のみならず、遠くは伊勢湾の向こうの知多半島までを容易に見通すことができるからだ。戦国武将が高いところに居城を構えたのは、何も城の周囲に居を構えた領民を見下すためではない。いち早く他国の侵略を察知して、大切な領民を守るためである。自分が武将だったらと考えると、眼下の集落からたち上がる炊事の煙など、領民の営みを目にするたびに、気が引き締まる思いで統治に励んだはずだ。まして、弱肉強食や下剋上がまかり通った時代である。砂上の楼閣という言葉に集約されるほどに儚い権力構造を盤石なものにするためにも領民との良好な関係は不可欠なはずである。
公園の後は、すぐ隣にある円光寺へ移動。この寺は伊勢上野城の城主・分部氏の菩提寺。後に大溝藩(現在の滋賀県高島市)を幕末まで治めた同氏の礎を築いた分部光嘉は、富田信高らと共に関ヶ原の戦いの前哨戦である安濃津城攻防戦において活躍。わずか1700の寡兵で3万にも及ぶ西軍相手に勇戦し、敗北こそしたものの、東軍の勝利に貢献している。
この円光寺は、同氏の移封に伴い、大溝へと移されたが後に当地を治めた紀州藩が寺領を認めたので旧伽藍が存続したもの。本堂はこじんまりとしているが、古風な禅寺の風格を漂わせている。覗いてみると、住職がいらっしゃったので、挨拶し、少し休憩をさせて頂く。平家物語でもおなじみの沙羅双樹や紅葉でも知られており、それぞれの季節になると、多くの参拝者が訪れる。
さて、いよいよこの旅の締めくくり。海に向かって自転車を飛ばす。(本紙報道部長・麻生純矢)
2015年10月1日 AM 4:55
9月4日、男女共同参画センター「フレンテみえ」で、伊勢志摩サミットのキックオフとなる「三重県バリアフリー観光推進大会」が開かれた。会場では、鈴木三重県知事、作家・東京都教育委員の乙武洋匡さん、伊勢志摩バリアフリーツアーセンター理事長の中村理事長らがパネルで、「日本一のバリアフリー観光が三重の未来をつくる。そのためには、おもてなしの心が大切」とトーク。今後は個人を基準として、バリアフリー観光が大きなうねりになっていくと解説した。
伊勢志摩サミットは、三重県の良さを国内外に発信して消費を高めるばかりか、「もてなし」を高める大きなチャンスだ。
乙武さんは大会出席のため、名古屋から津市の会場、その後に予定している講演も精力的にこなし、長時間、私の福祉タクシーに乗車してもらった。この時、意外なことから、介助をするドライバーの私と乙武さんの間に和みがあった。
私は、同氏が大学在学中に出版した「五体不満足」を読んだことはあるが、会話は初めて。こちらが挨拶すると「はじめまして。今日は、よろしくお願いします。昇降リフトの操作をしてもらえば、あとは自分でやります」と言うや否や、ひょいと隣の座席に乗り換えた。慣れもあろうが、我々福祉タクシーの乗務員も特別に介助をすることはない。走行に専念してもらおうという気持ちがこちらにも伝わった。移動中も、氏の活動のことなどで気軽な話ができ、安全運転で目的地へ移動できた。これは、もてなしの〝キャッチボール〟。福祉タクシーは「おもてなし」、「バリアフリー観光」が同時にできる。
そこで、来年開催されるサミットを大きなチャンスにして、三重県で「全国福祉タクシーサミット」を開いてはどうだろうか。
これは国内の福祉、介護タクシー、民間救急などの事業者が集うもの。各車の特徴もわかってもらえるし、採択した案件を全国に発信できる。往復も、お客様が事業者のタクシーに乗ってバリアフリー観光をしていただければ三重県、サミットをアピールできるし、地場産直品の消費も上がるのではないだろうか。
福祉タクシーは純然たるタクシー事業だが、全国的に不足している。交通弱者が均等に利用できる環境には至っていない。「福祉タクシーサミット」は利用者と地元の理解を深め、決議次第では救急車の適性利用なども強調できよう。
乙武さんが最終の日程を終えて帰路についた時、鈴木知事から私に「今日は、安全運転でありがとう」と、声をかけてもらった。
おもてなしは、これからの三重のビジネスを大きく変えるだろう。(日本福祉タクシー協会所属 はあと福祉タクシー代表)
2015年10月1日 AM 4:55