藤田君と中口コーチ(左)と父・頼正さん

藤田君と中口コーチ(左)と父・頼正さん

津市や松阪市の幼稚園児と小学生による陸上チーム『一志Beast』に所属する藤田晃輝君(12・立成小6年)が8月に神奈川県横浜市の日産スタジアムで開催された「第31回全国小学生陸上競技交流大会」の80mハードルで準優勝という快挙を達成した。
念願だった全国の舞台で12秒17という堂々たる記録を出した晃輝君は、「目標は優勝だったが嬉しい。全国の友達も増えた」と大会を振り返る。東宏明監督を始め、仲間やコーチなど多くの人に支えられての記録だが、晃輝君が特に思い入れの深い2人がいる。
1人は5年生からハードルを始めた晃輝君を指導しているコーチの中口正史さん(41)。晃輝君がここまで記録を伸ばし続けられてこられたのも、中口さんの的確な指導と、指摘されたことを素直に受け入れ、すぐに改善する晃輝くんのひたむきさがあってこそ。中口さんは「後輩たちにも憧れられる日本を代表する選手になってほしい」と今後の期待を込めて語る。
そして、もう一人は、父の頼正さん(39)。陸上未経験者ながら晃輝君が同チームに入ったのをきっかけに自身も陸上を始め、コーチに就任。今ではマスターズ大会にも出場している。「スポーツを通じ礼儀を学んだり、友達との交流を楽しんで欲しい」と人間的な成長を温かく見守る。
キャプテンとしてチームを引っ張る晃輝くんが今シーズン出られる大会も残りわずか。「あとの目標は、三重県新記録を出したい」と力強く語っている。