先週号トップ記事文中に三浦林商様の管理されている美杉町内の人工林の面積が約1万8000haとありましたが、その数字は美杉町全体の森林面積です。
10月1日号掲載の『津ぅるどふるさと』の中で、お市の方と江ら浅井三姉妹が伊勢上野城で過ごした期間を賤ヶ岳の戦いの後と記しておりましたが、浅井氏滅亡後の誤りです。
お詫び申し上げると共に、訂正させて頂きます。

前回に引き続き、独自の取り組みで林業の新たな可能性を見出し、様々なことに挑戦している『三浦林商』=津市美杉町丹生俣=の三浦妃己郎さん(48)に間伐による森林再生や木質バイオマス発電、自社で実践していることなどについて聞いた。   (聞き手は本紙報道部長・麻生純矢)

 

三浦妃己郎さん

三浦妃己郎さん

──放置された人工林は薄暗く、木が混み合い細くなっていますが、再生することは可能ですか。
三浦 放置されて細い木ばかりになった人工林は〝線香林〟と呼ばれており、間伐しても風が入り倒れるので再生できないという専門家も多いが、私の経験ではそのような人工林でも、間伐の工夫次第で、価値のある森林に再生させることに成功してきた。
──津市では、バイオマス産業都市構想を打ち立て民間企業との協定を結び、木質バイオマス発電を実施する計画が進んでいます。この燃料には間伐材も含む地域産の木材等を使うことで、林業振興につなげようとしており、供給量を当初年間5000tから2万5000tにまで増やしていく計画を立てています。
三浦 現在の供給量ではその計画の実現には、間伐材(放置材)どころか、建築用木材などの有用材も燃料にしなければ足りなくなる。需要と供給のバランスを考えた木質バイオマス発電の計画が必要だ。
──あくまで間伐材(放置材)の消費を増やす手段であって、一時しのぎの収入を得る手段であってはならないということですね。林業の衰退を端的に表現するなら「危険なわりに低収入」という実情があると思います。新しい取り組みで林業を盛り上げている三浦さんは、どのようなことを実践されているのですか。
三浦 昔はつらい仕事でも、高収入なので人気があった。そこから考えると今後は木材価格を上げていくことが必要となる。ただの値上げではなく付加価値を高めることが重要だ。まずは木材の生産履歴(トレーサビリティ)を証明すること。国内はもちろん海外に人気のある日本の木を販売していく上でトレーサビリティは必要不可欠。食品などと違って木材は木を切った場所ではなく、製材した場所が産地になるのが常識になっているが、津市の山間部は、実は世界に誇る優良材の産地、紀伊山地(木い産地)なのだから自信を持ってアピールしていけば良い。
優良材の普及を図るためNPO法人もりずむを設立し、これらのトレーサビリティの徹底に加え、伐採から販売までの間、付加価値を高める努力をしている。例えば木を上斜面方向に倒すことで、加速度がつかず木へのダメージを抑えることができる。
その後、葉をつけたまま3カ月~1年余り「葉枯し乾燥」させる。葉が幹の水分を吸い上げるので半分以下の重さになる。色が良くなり、フェノール(防腐抗菌成分)が形成され、狂いも少ない材がとれる。
山林で乾燥するだけでなく、製材後も天日と谷風で自然乾燥を行う。こうして有効な成分が十分に含まれた木製品が完成する。軽くなるので運搬コストも減るし、乾燥に燃料も使わないのでとてもエコと言える。
更に付加価値を高めるため新月伐採(月齢伐採)も行っている。新月に向かう時期に木を伐ると、狂いにくい、腐りにくい、燃えにくいと言われており、欧州では一般的に認識されている。昔は日本でも月の満ち欠けにより木を伐る日を決めていたそうで伊勢神宮の御杣始祭(2005年6月3日)も丁度新月4日前。
もりずむでは京都大学に協力を頂き、月の満ち欠けによって樹木の細胞が変化していく様子を調べている。今の段階では下弦の月あたりの木の状態が一番良いと思う。新月伐採については効果が全て解明されていないが、探究していく姿勢が大事。それが1本あたりの価格を押し上げていく原動力になる。従業員さんも考える余裕もでき、より安全に気を配り、良い仕事をしてくれる。(次号につづく)

久居城下案内人の会は11月1日(日)9時~12時(受付8時半~)、久居藩350周年に向けて「平成27年度・久居ふるさと親子ウォーク(桃園地区)」への参加者を募集している。後援=津市教委、協賛=県酪農業協同組合。小雨決行。予備日11月8日。
テーマは「雲出川の氾濫を見てきた三地蔵」(5㎞)。コース…9時・久居公民館~光明寺(昔話・ひっこし観音)~物部神社~宝樹寺~(雲出井に沿って)~栄松寺~川方城跡~12時・久居公民館。
参加対象は小中学生(小学生は保護者同伴)。一般も参加歓迎。
参加費は100円(保険料・資料代)。おみやげプレゼントあり。
申し込みは、氏名(学校名・学年も)、住所、電話番号と「ウォーク申込」と書いてFAX(059・255・0960)または電話☎080・1556・4559森下さん。
締め切りは10月26日(月)必着。

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