2015年11月

「三重中央農業協同組合」=本店・津市一志町田尻=が設立し、地元のガイド団体「一志町歴史語り部の会」が運営する『三重中央農協 郷土資料館』=同町高野=が今年、リニューアル10周年を迎えた。同館では、生活用具、歴史、養蚕・製糸業、農林業に関する資料や、蚕の飼育の展示を行うほか、今年4月には農機具などを動かすことができる「体験室」もオープン。学校教育や地域の社会教育、生涯学習に広く活用されている。

 

「三重中央農協 郷土資料館」

「三重中央農協 郷土資料館」

展示を説明する語り部の会会員と、豊津小の3年生

展示を説明する語り部の会会員と、豊津小の3年生

『三重中央農協 郷土資料館』は、旧館が、昭和60年、一志町農協の20周年記念事業の一環で開館した。農協が設立した郷土資料館は全国でも珍しいという。その後、三重中央農協が引き継ぎ、平成17年、旧館前に建っていた農業倉庫(米蔵)を改修し新館をオープン。当時から、「一志町歴史語り部の会」に運営を委託している。
同館の特長は〝展示を見て、触って、体験できる〟ということ。4つの展示室に、①生活用具②歴史③かつて一志地域で盛んだった養蚕・製糸業④農林業に関する資料があり、触れることが可能なものも多い。
また、毎年、町内外の養蚕経験者らでつくる「蚕糸研究会」が中心になり蚕を飼育し展示しているほか、今年4月には、昔の農機具や生活用具などを動かせる「体験室」をオープン。幅広い世代が、地域の歴史や産業、人々の生活やその変遷を実感を持って学べる貴重な場となっている。
そして見学には、町内だけでなく市内の他地域の小学生や、各地の公民館講座生、海外からのツアー客も訪れており、語り部の会が丁寧にガイドしている。
今月10日には、津市河芸町の豊津小学校の3年生34名が社会見学で来館。語り部の会が案内し、児童は展示されている道具の使い方を質問したり、蚕の繭に触れてその固さに驚くなど、楽しみながら学習した。
三重中央農協の片岡眞郁組合長は「地元や県内外から多くの方にご来館頂き、おかげ様で10周年を迎えることができました。これからも、貴重な資料が豊富に揃う郷土資料館を地域全体で盛り立てていきたい」、また、語り部の会の西田太司会長は「来館した人からの、『思っていたより良かった』という声が嬉しいです」と話している。
一志町の魅力と共に、先人の足跡を、多くの人に伝えている同館。今後の更なる発展に期待したい。
なお10周年記念イベント「むかしフェスタin郷土資料館」が12月5日10時~15時、同館で催される。内容は唐臼での米つき・足踏みミシン体験、スタンプラリー、蚕の展示、糸織り・機織り実演、餅つき大会、産直コーナーなど。問い合わせは三重中央農協企画課☎津293・5000へ。

発表する6年生の児童たち

発表する6年生の児童たち

津市白山町南家城の市立家城小学校=岩脇一也校長=で20日、毎年恒例の「人権集会」が開かれた。
児童の人権に対する意識の高揚を図るとともに、人権について皆で考え合い、理解しようとする態度を養うのが目的。5・6年生の児童のうち希望者14名でつくるJJ(人権集会実行委員会)が企画し、全学年の児童64名が参加。保護者や来賓計80名が来場した。
各学年が、今年4月から人権学習で学んだことを主に呼びかけで発表。そのうち6年生は、「わたしたちが大切にしたいもの」というタイトルで、仲間を大切にする力を学んだことなどを力一杯の声で発表し、来場者は熱心に聞き入った。

原田さんと昭子夫人から寄附を贈られた西田会長(左)

原田さんと昭子夫人から寄附を贈られた西田会長(左)

15日、津市センターパレスホールで行われた原田日出夫さん(74)の瑞宝双光章受章記念祝賀会の中で、「津城復元の会」への寄附が行われた。
『㈱カンキョー』=津市住吉町=の会長を務める原田さんが同章を受章したのは、46年間もの消防団活動が評価されてのもの。津城復元の他にも県内のスポーツ発展や、津市図書館、消防団への寄附も行った。
贈呈の際に原田さんは、「ずっと津城復元ができないのは悲しいと思っていたが、図面が見つかって可能になった。藤堂高虎公がやられてきたことを我々、津の人間が守っていかなければならない」と挨拶。
復元の会の西田久光会長は「城づくりの名手として高虎公が再評価される中、東京や九州からお城見学ツアーで津城に来る人が増えている。寄附は10月末で5500名を超える方から1365万円頂いた。本当にありがたい」と感謝した。

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