会場で注目を集めた北村製作所のブース(幕張メッセ)

会場で注目を集めた北村製作所のブース(幕張メッセ)

大手企業の下請けに頼ることなく、独自商品を開発し続けることで中小企業の新たな活路を見出してきた津市庄田町の㈱北村製作所=北村清司社長=は、10月14日から16日まで幕張メッセで開かれた「第5回国際道工具・作業用品エキスポ(ツール・ジャパン)」にブースを出展。国内外から熱い注目を集めた。
ツール・ジャパンは世界中から農業資材・次世代農業・園芸に関する道具や工具、作業用品が一堂に集合する一大イベント。工具店、ホームセンターや園芸店、金物店などの小売店や卸売業者をはじめ、バイヤー、プロユーザーも多数訪れる。
同社は、平成19年の発売以来、国内向け販売台数が累計190万台を突破している刈払機用地ズリ安定板(草刈り機の刈刃に付ける安定板)「ジズライザー」=特許取得済=シリーズをはじめ、野菜の植え幅がひと目でわかる野菜植え付けメジャー「べジタルメジャー」、草刈り機の先端に取り付けることで、刈りながら草寄せできる集草補助具「さらい君」などアイデアに富んだ独自開発製品を次々市場に送り出すことで北村製作所の社名と「Zizlizer(ジズライザー)」ブランドの存在感を示してきた。また、価格競争には加わらず、定価販売にこだわることでブランドの維持にも努めてきた。
北村社長は「ダンピングすれば、一時的に売り上げを維持できるが、いずれは価格競争に巻き込まれて利益を圧迫するようになる。苦しい時でも定価に見合う魅力的で価値のある商品を開発する方が、結果的に利益を生む」と話す。
同社の次の展望は世界進出。すでにアジア・欧州・米国各国の特許も取得済みで、現在は販路開拓に向け準備を進める。
会場の同社ブースでは、「KITAMURA」の商品を手に取り、熱心に説明を受けるバイヤーも多く訪れており、「将来への手応えをしっかり感じている」という。