お天気が良かったので、昼休みに外へ出て、青くて高い空を見上げた。飛行機が一機東へ向いて進んでいくのが見えた。飛行機の少し後ろに飛行機雲ができていく。
目を移せば、同じ方向に何本かのまっすぐな雲があった。セントレアへ向かう飛行機が同じ航路を飛ぶからだろう。時間の経った飛行機雲は広がって、のこぎりの歯のようなぎざぎざになっている。
大きな青い空の半分ほどを飛行機が原因の線状の雲が占めており、残りの半分ほどに圏雲が散っている。白い絵の具の刷毛で、薄く筋を描いたような雲。秋の雲だ。
カメラを持ち出して、空に向けた。今日の雲は今日だけの雲。明日また見ようと思っても見ることはできない。またたく間に雲は姿を変えて行く。一期一会の雲。
雲の魅力の一つはそのはかなさにある。あるかと思えば流れ、形を変え、消えていく。移ろう雲を見ていると流れる時間を忘れてしまう。
しかし、ふと我に返れば、雲の流れより速く時が過ぎ去っている。まさに「我が身世にふるながめせし間に」。いつのまにこんなにも年を取ってしまったのだろう。雲を見る時間は、日々の雑事から離れて、自分を振り返る時間にもなる。
こんなきれいな雲の日は空を見上げるだけで幸せになる。明日も明後日も、空を見上げよう。          (舞)

▼三重旺玄小品展=~8、三重画廊
▼第21回やなぎグループ洋画展=11~15、NHK津ぎゃらりー
▼創立48周年松阪民謡大会=8、クラギ文化ホール
▼秋の朗読フェスティバル=7、県総文小ホール
▼第26回琴城流大正琴振興会・津・伊賀支部コンサート=8、県総文小ホール

ohara いけばな小原流三重支部北部地区花展「花の輪・人の輪─みんなの花展」が11月7日(土)10時~17時、8日(日)10時~16時、県総合文化センター第2ギャラリーで開かれる。入場無料。後援=(一財)小原流本部。
初心者から専門教授者までが一同に集い、小原流創設以来の伝統花から現代生活に合う花などを一人ひとりが工夫して、植物が錦のように織りなす秋の世界を表現するもので、一般会員32作、専門教授者18作のほか、伝統文化いけばなこども教室の70名の作品も展示する。
問い合わせは同支部☎059・234・3610。

[ 3 / 8 ページ ]12345...Last »