鈴鹿の山の向こう側に紅葉狩りに出かけた。野洲川沿いから、鈴鹿スカイラインを四日市へ下るコース。秋晴れの午後の陽ざしを浴びて、黄色や赤の木々が輝いていた。植林された緑に混じると黄も赤も一段と映える。
スカイラインに入る前に山里のレストランに寄ると、地産地消メニューとして猪肉や鹿肉があった。山に来れば山のものを食べてみようと、私はぼたん鍋を選んだ。
ぼたん鍋は思いのほか美味しかった。猪肉に臭みはなく、口中でほどよく脂と赤身が混じり合った。実を言うと、猪肉は初体験。狩猟肉をジビエと言い替えても、牛や豚ほど食べやすくはないだろうと思っていた。体験して食の世界が広がった感がする。
近年、鹿や猪の被害が伝えられ、行政による害獣駆除がなされていると聞く。しかし、この害獣や駆除という言葉の強さにはたじろいでしまう。海で魚を獲って食べるように、山で獣を捕って食べれば駆除と言わなくても獣の数が減るだろう。
まずは獣の肉の美味しさを広めていくことが大事だ。三重県が「みえジビエ」という取り組みをしている。品質向上とクーポンキャンペーンは良いやり方だと思う。
西洋人と違って私たちはジビエを食べる文化を持たないが、今の大人が美味しいと食べれば次の世代に伝わる。適量を食材とすることが獣との共存につながると思う。(舞)