新酒のきき酒をする川端社長(左)と山本さん(中)

新酒のきき酒をする川端社長(左)と山本さん(中)

12日、清酒・初日などで知られる津市久居本町の蔵元『㈱油正』で、恒例の新酒の初しぼりがあった。
同社では、先月から今秋収穫したばかりの新米(麹米には富山県産五百万石、掛米には三重県産米)と同社の井戸水(布引山系の水脈)を使い、今年の日本酒を醸造している。
原料米は、夏場の天候不順もあり、小さい米粒であると予想され、また製造を始めた10月中旬からは例年に比べて暖かい日が続いたことから、それらを考慮して醸造を進めてきた。
当日朝、酒蔵内では神饌が供えられた祭壇前で、川端治夫社長、家木良英専務や、杜氏を多数輩出する但馬(兵庫県新温泉町)から毎年10月から翌年3月までの半年間、同社に住み込みで休みなく酒造りに励む杜氏・山本隆章さんらが参列して、地元の川併神社禰宜の尾﨑貞彦氏による神事が行われ、今年も良い酒が安全に出荷できるようにと祈願した。
神事の後は、昔からの慣例で、新酒ができたことを知らせる杉玉(直径約70㎝)を店の軒先に掲げた。続いて、川端社長、山本さんらが搾りたての新酒を口にして、その出来栄えを確かめた。
川端社長は「とれたての米で醸造できたのは、杜氏をはじめ皆さんのおかげです」、山本さんは「香りが良く例年通りの良いお酒になった」と話した。
同社では搾りたての新酒を「初しぼり」銘柄として順次出荷、販売している。
なお、23日10時〜15時、毎年人気の「蔵開き」を開催。地域物産の販売のほか11時〜13時半には酒蔵見学と新酒の試飲も行う。