津市の海野さんが恋愛小説出版

津市の海野さんが恋愛小説出版

太陽は大きく静寂のうちに沈もうとしている 穏やかな天空は海上にかかっている―ワーズワースの詩の様な豊かな自然の中で生まれた少年と少女の出会いと淡く切ない別れ。半世紀余を経ても蘇る青春の鮮烈な思い出。昭和30年の夏の情景が印象的な美しい風景とともに鮮やかに蘇る…。
津市在住の海野明生=本名・小川益司=さん(76)がこのほど、文芸社から小説「満ち潮と 引き潮と~遠き日・志摩の初恋~」を出版した。
海野さんは1939年志摩市生まれ。県立水産高校卒、中央大学法学部法律学科卒、61年三重県庁に就職、商工労働部長、代表監査員を歴任。現在は社会福祉法人こしば福祉会常務理事・介護老人保健施設トマト施設長。
同書は、著者が故郷の志摩で高校2年生の夏休みに東京から遊びに来た女学生と出会い、初恋に落ちた、たった2週間の青春の思い出を、自身を「哲夫」、女学生を「陽子」に置き換えて、甘酸っぱくも儚い、そして心温まる淡い恋愛小説として綴ったもの。
実は「陽子」は、27年前に50歳で交通事故で急逝している。しかし、平凡な高校生だった「哲夫」にとって「陽子」との思い出が、その後の苦しい時の励ましになり、生きる力をもたらし、心の支えとなってきた。 当初、自費出版の形で世に出すつもりだったが、出版社側から「ぜひ出版させてほしい」と言われ、通常の商業出版物となった経緯がある。既に3刷出来。  著者は「〝哲夫〟も後期高齢者となり、いつ幽明界を異にするかもしれなくなりました。漁村の純朴な〝哲夫〟の人生に大きな影響をもたらした都会の清純な女学生〝陽子〟との出会いから60年の歳月を経たことを機に、心象風景を交えながら志摩の風景、歴史、文化、民俗などを織り交ぜて書きました」と話す。
B6判、141頁。本体1100円+税でアマゾン、各書店で取扱中。