DSC_2125 『低炭素社会の実現』のため、県民にエネルギー・環境問題について考えてもらおうと活動している「21世紀のエネルギーを考える会・みえ」が先月、津市白山総合文化センターで津地区講演会を開いた。約80名が聴講した。
講師は三重テレビ放送の気象キャスターで知られる、気象予報士で三重県エネルギービジョン推進会議委員の多森成子さん。「異常気象から見える地球温暖化」を演題に身近な天気の話や、近年頻発している異常気象に触れながら、未来の天気や環境の変化や温暖化について分かりやすく解説した。
多森さんは、近年の異常気象の特徴として①記録的な豪雨②多量の雨を伴いながら日本に上陸する台風、そして③猛暑を挙げた。
「豪雨では、右肩上がりに短時間豪雨(50ミリ以上)が降る日が多くなっている一方で、年間で1ミリ以上の雨の降る日が減っている。ドカッと降ってすっと止む…という感じてハッキリしてきた」と解説。
また、「三重県でみても、平成23年9月に発生した紀伊半島大水害を受けて新設された『大雨特別警報』が、昨年8月の台風11号の影響で1時間に110ミリ以上の大雨が三重県で降った際に発令された」とし、大雨への警戒が今まで以上に求められていると強調した。
さらに、猛暑については、「2000年代に入ってから記録的な猛暑が発生している。世界中で天気が極端化しており、干ばつも深刻化している。その原因は二酸化炭素。過去132年間に世界の平均気温は0・85℃上昇している。その影響で北極の氷は溶けて少なくなり、海面は過去100年間で19㎝も上昇。2100年には最大82㎝上昇する。また暑さで米の白化やデング熱、マラリヤ、日本脳炎、熱中症などの病気の増加する。
温暖化対策をすれば、2050年までは温暖化は進行するが、2100年には世界の平均気温の上昇が0・3℃~1・7℃に抑えられる。しかし、このまま何も対策しなければ、2・6℃~4・8度まで上昇する。一人ひとりが自分の身の回りから地球全体の事を考えてほしい」と話した。