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国保の運営は、市町村単位。加入世帯からの保険料収入と運営自治体の法定内繰り入れに加え、国と県からの交付金で運営されている。津市で平成26年度平均の国保加入状況は約4万844世帯の6万6616人。一人当たりの平均保険料は9万3830円。保険料収入は約60億6200万円。加入世帯は65歳~74歳の前期高齢者が43・5%を占め、残りは非正規雇用者や無職の人など、低所得者層が中心。サラリーマンの保険制度と比較すると企業負担分が無いので加入者の負担が重く、収納率低下が全国で問題化している。
また、少子高齢化の影響で加入者は前期高齢者が増加。保険料収入の減少に反比例する形で医療費支出が増加。津市でも医療費を中心とした給付が平成26年度で、約196億7000万円。平成24年度が約186億と伸び率は凄まじい。
赤字の際に自治体が取れる方法は、保険料の値上げか、一般会計からの法定外繰り入れを行うか、基金を取り崩すかの3つ。津市は基金が枯渇しており、一度は保険料の値上げをしたものの、それ以外の赤字年では法定外繰り入れで保険料上昇を抑えている。ただし、どちらを行うにせよ、赤字の原因の一つである収納率の改善をしなければ市民の理解は得られない。
津市の保険料収納率は、平成21年には現年度分で86・2%、滞納分に至っては7・2%まで低迷。そこで収税課で市税の徴収業務に当たった経験がある職員を配置しノウハウを広め、徴収担当も増員。市役所の窓口を訪れる滞納者に対し、納付相談で分納を促すなど支払い能力に応じた納付方法を指導。滞納が増えると延滞金で、保険料の支払いが更に難しくなるので現年度納付を推進している。更に近年では支払い能力があるにも関わらず、保険料を支払わない者に対して預金・給与などの差し押さえを実施。平成26年度は特別滞納整理推進室に移管した分も含め、1億2千万円を回収。これら努力の積み重ねで、同年度の収納率が現年度分90・44%、滞納分が21・9%まで回復し、今年度も改善の見通し。だが、2年の時効を迎えた不能欠損が約2億5000万円もあり、まだ改善の余地は残る。
国は平成30年度より国保を都道府県単位の運営に広域化し、財政支援で基盤の強化を図る。来年度より県内でも本格的な議論が始まるが、市町間で保険料一本化はせず、財政面以外の業務も従来通り市町が行う。
その理由は県内29市町間の格差で一本化すれば混乱が生まれるからだ。一人当たりの保険料も平成26年度(暫定値)で最高の木曽岬町11万705円から、最安の大紀町6万1859円。収納率にもトップの大紀町の97・76%から松阪市の88・33%まで開きがある。県内の一人当たりの保険料平均額は9万2925円で津市は、それに近い額。この格差も広域化の課題だ。
今後の高齢化加速に伴い、医療費支出の増大は確実で、国保の広域化だけで財政基盤の強化が図れるのか疑問の声も少なくない。重すぎる加入者負担に対して地方の立場から意見をする際に足元の運営がしっかりとしていなければ、それも難しい。津市の継続的な収納率向上に期待したい。
2016年1月21日 AM 5:00
毎年2月3日に津観音で行われている『鬼押さえ節分会』の土産といえば、津市の平治煎餅本店が販売している「福引せんべい」。
干支の焼印を押した丸い生地を熟練の職人たちが丹念な手仕事で三角錐状に折り曲げ、中心の空洞に「えびす」や「大黒」などの縁起物を入れたこの煎餅。職人たちが通常の仕事の合間の限られた時間を使って一つ一つ仕上げていくため、大量生産できないのも特徴。厄除けとしても親しまれており、昔は中勢地区の和菓子店で広く作られていたが、現在は同店と、もう一店舗を残すだけとなっている。近年テレビ番組でも紹介されるなど、今まで以上に知名度が高まり、人気となっている。
節分会は江戸時代、旅人たちで賑わった伊勢本街道に春を告げる風物詩として知られていた。しかし、厄男が鬼役を真剣で斬りつけて邪気を祓うという苛烈な内容ということもあり、死傷者が絶えなかったため、明治時代に中止された。以降、長らく途絶えていたものを平成9年に地域活性化を目的に復活。当時の儀式を模した寸劇や、盛大な福豆まきなどで毎年盛り上がっている。
種類は大4629円(要予約)、中1296円、小740円。全て税別。近年では、2月に入ると連日すぐに売り切れてしまうので、早めの予約がオススメ。大門本店・江戸橋店で販売中。
問い合わせ☎059・225・3212。
2016年1月21日 AM 4:57
津市白山町で10日、第5回目の『JR名松線復旧記念ウォーク』が催された。 津市内のガイド団体が加盟する「津観光ガイドネット」が、3月26日に全線復旧するものの、利用者が少ない同線の観光路線としての価値を高める一助にしようと企画したもの。昨年10月から今年3月かけて、全10回に亘り開催される。
今回は88名が参加。5班に分かれ、市役所白山総合支所から出発し、「白山道しるべの会」の案内で、河口頓宮跡・東光寺・廃高田寺・宝蔵寺・善性寺を巡った。その後、同線の伊勢川口駅から一駅先の関ノ宮駅まで乗車し、同支所にゴールした。
歩行距離は約6㎞。参加者は遠くに青山高原の風力発電施設の風車を望みながら、田園風景の中、平坦な道でウォーキングを楽しんだ。また伊勢川口駅ホームから、中勢鉄道(昭和18年廃線)のホームの痕跡が良く見えて、多くの人が今も残っていることに驚いていた。ゴールでは津市商工会がぜんざいを振る舞った。
そして「名松線を元気にする会」が会場でオリジナルグッズ販売などを行うとともに、参加者に名松線について熱く語った。
参加者からも「復旧後もウォークイベントを企画してほしい」という声が複数あり、元気にする会のメンバーは、歴史や自然豊かな名松線沿線の人気が高まっていると実感していた。
2016年1月21日 AM 4:56