今回、新たに寄附金寄贈者5名と1団体が刻字された台座

今回、新たに寄附金寄贈者5名と1団体が刻字された台座

帽子を接着する稲垣氏

帽子を接着する稲垣氏

FRPの帽子が被された久居駅東口前の上野英三郎博士とハチ公の銅像」

FRPの帽子が被された久居駅東口前の上野英三郎博士とハチ公の銅像」

「忠犬ハチ公物語」で知られる秋田犬・ハチの飼い主で津市久居の出身である東京農大(現・東京大学)教授の故・上野英三郎博士とハチ公の銅像(近鉄久居駅東口前、緑の風公園に設置)がマイナーチェンジ!博士の頭に帽子が着けられた。
この銅像は、有志で作る「上野英三郎博士とハチ公の銅像を建てる会」(多田滋郎会長)が、市民、団体から寄附を募り、平成24年10月20日、上野博士とハチ公が一対となった全国初の銅像として建立したもの。デザインは、日展評議員、審査員を務める鈴鹿市安塚町在住の彫刻家、稲垣克次氏が担当した。
「建てる会」は建立の目的を果たしたため発展的に解散したが、 その後も津商工会議所などが中心となり、ハチ公像が設置されている秋田県大館市(ハチの出生地)や、東京都渋谷区、山形県鶴岡市、上野博士が教鞭をとった東京大学などとの交流を重ねてきた。
特に、ハチの検死が行われた東大には昨年3月8日、農学部正門近くに津市に続いて全国で2番目となる博士とハチの一対の銅像が名古屋在住の彫刻家、植田務氏が手掛けて建立されるなど、今まで以上に全国から「ハチ公物語」に関心が集まっている。
ところで、東大の銅像では上野博士が帽子を被っているが、久居の銅像は被っていない。
デザインが選定された当時、制作者の稲垣克次氏からも、帽子を被った模型の提供があったが、当時帽子を余り被っていなかったのではないか…との異論も出たことから結果的に無帽となった経緯がある。しかしその後、「当時の時代考証がいささか研究不足ではなかったか」との指摘も出されていた。
そんなこともあってか、昨年から久居の上野博士像に帽子を被せる〝粋なイタズラ〟が発生。しかし、固定されていないため、何度〝イタズラ〟されても風で飛ばされてしまう。
そこで昨年暮れ、建立費用を寄附したものの、像の除幕式までに間に合わなかった寄贈者5名(森本晃、藤谷増郎、小柴眞治、花井錬太郎、小林俊一の各氏)と1団体(津商工会議所)の名前を像の台座に追加刻字する際に、改めて稲垣氏がFRP(強化プラスティック)で成形した帽子を上野博士の象に被せて固定する作業を行った。
これで、東大の銅像と同じ構図に仕上がり、市民からも「中々格好いいですネ」