津市立藤水小学校6年の久志本眞子さん(12)が、桑名市が舞台で、人気小説家・秦建日子さんが監督・脚本を手掛け、有名俳優らも出演予定の映画『クハナ!』のオーディションに見事合格。キッズバンドでドラムを担当する女の子の役で出演することとなった。久志本さんは5歳頃のときスカウトされミュージカルや歌などの芸能活動を行っており、映画出演は今回が初。3月開始予定の撮影に向け現在、ドラムの練習に励んでいる。

 

キッズバンドのメンバー(久志本さんは後列右から3人目)ら

キッズバンドのメンバー(久志本さんは後列右から3人目)ら

自宅でもドラムを練習中の久志本さん

自宅でもドラムを練習中の久志本さん

久志本さんは幼稚園を卒園してまもなく、スカウトされて芸能活動を始めた。元々、テレビのバラエティ番組を観るのが大好きで、「いつか自分もゲストとして出たい」と思っていたそう。現在は、芸能事務所・㈱ベリーベリープロダクション所属のグループ「東京ガールズキッズ」のメンバーで、同グループは昨年、メジャーデビューした。
また2010年の津巡業をきっかけに旭天鵬(現・大島親方)と知り合い、その優しい人柄に魅了されて以来、大相撲のファンで、国技館で観戦したり、多くの力士と交流している。力士達も芸能活動を温かく応援してくれているそう。
一方、桑名市が舞台の映画『クハナ!』は、桑名の街おこしをしたい市民達に秦建日子さんが賛同、協力したのを機に製作が決定。現在、秦さんや桑名市民の有志が発足した「クハナ!映画部」が中心となり、撮影準備などを進めている。
監督を務める秦さんは、テレビドラマや映画の「アンフェア」の原作者で、人気小説家。また音楽を手掛ける立石一海さんはピアニスト、音楽プロデューサーで、様々な分野で活躍している。有名子役、俳優らも多数出演予定。
映画の内容は、廃校を控えた小学校の児童達が、ジャズ好きの教師が転任してきたことを機にキッズバンドを結成。児童達のジャズ演奏を通じて、地域が絆を深めていくというもの。
昨年7月に東京・名古屋・桑名でオーディションが行われ、計2千人が応募した。久志本さんは、少し緊張しながらもバイオリン演奏や演技を披露し見事、合格。キッズバンドのドラムを担当する女の子の役で出演できることが決まった。
ドラムは未経験だが、3月に開始予定の撮影に向けて現在、個人や合同での練習に真摯に取り組み、着々と上達している。映画は今夏、桑名市で先行上映予定・今秋、全国公開予定。
久志本さんについて秦さんは「とにかく演技力がすごい。同年代の中ではアタマ二つくらい飛び抜けていた印象です。しかも明るくハキハキしていて、現場にいてくれたら映画全体をとてもハッピーに導いてくれると思いキャスティングを決めました。今回だけでなく、末長くご一緒したい、ダイヤの原石ですね!」、立石さんは「まっすぐで芯の強い子。時間を見つけてはドラムの練習を重ね、信じられない早さで上達しています。彼女のひたむきで一生懸命な姿は、きっと多くの人の胸を打つことでしょう」と期待を込め語る。
そして久志本さんは「ドラムは最初、手足を別々に動かすのが難しかったし筋肉痛になったけど、今は大丈夫です。初めての映画出演なので、とにかく自分のできることは出し切って、いつも全力で頑張りたい」と抱負を話している。
家族など周囲のサポートの下、気負い過ぎず楽しみながら芸能活動に励み、学業や日常生活とも両立している久志本さん。同映画での活躍にも期待したい。