吉村武司さん

吉村武司さん

昨年10月から今年3月にかけて開催中の「JR名松線復旧記念ウォーク」を企画している『名松線沿線史跡めぐり事業プロジェクトチーム』の吉村武司会長(81)にインタビュー。同チームは、津のガイド団体が加盟する「津観光ガイドネット」を中心に、名松線の関係団体で構成されている。

──名松線と様々な形で関わられていますね。
吉村 私は一志町波瀬で生まれ、子供の頃は、井関駅から名松線に乗って松阪や伊勢参宮に出掛けていました。
現在は、一志町井関にある「そそこ桜公園」のソメイヨシノを管理する「そそこの桜愛好会」の会長も務めています。この公園は、名松線のトンネルを堀ったときの残土が置かれた場所に、波瀬地区の先輩達が桜を植えてできました。このように、昔から名松線とゆかりがあります。
──復旧記念ウォークについて教えて下さい。 私はガイド団体「一志町歴史語り部の会」の会員でもあり、ウォークでも、おもてなしの心で案内をしています。

八知の仲山神社で発見された「五神名地神碑」

八知の仲山神社で発見された「五神名地神碑」

また、ウォーク開催にあたり行った現地調査を機に、美杉町八知の仲山神社で「五神名地神碑」(農耕に関わる5柱の神名を刻んだ石柱)を発見しました。専門家によると全国でも7番目に古い珍しいものだそうです。 その後、八知の他の場所でも見つけたので、これから沿線の新たな見所としてウォークなどでアピールしていきたい。
運休し約6年半も経ってから復旧するため〝奇跡の名松線〟と言われますが、我々としては、このような発見があったというのも一つの奇跡だと思います。
──名松線の活性化についてどのようにお考えですか?
地元の名物を生かした観光客向けの様々な企画が必須です。車窓から見えるようにと沿線に植樹してくれている住民もいるので、多くの人に乗ってもらえれば、その方々の地道な努力も生きてくると思います。
また住民に「車で行くから名松線には乗らなくてもいいや」という人が多いと外からの関心も衰えてくるので、まず住民に関心を持ってほしい。
そして田舎ならではの住民が訪れる人を迎える温かい気持ちも大事だと思う。名松線を通じ乗って来てくれる人と住民が交流してほしい。住民がそういう場面を頭に描きながら名松線を見てくれるといいなと思います。