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2016年3月
3月11日、津観音こと『観音寺大宝院』=津市大門=が所蔵する絵画『絹本著色 弘法大師像』が同寺初となる国指定の重要文化財として答申を受けた。更に、同25日に9件が新たに津市の有形文化財指定されており、これで国・県・市合わせて75点の文化財を所蔵することとなった。昨年に真宗醍醐派の別格本山へ昇格した同寺だが寺格の高さを裏付ける多数の宝物を所蔵しており、今後も精力的に文化財認定をめざす。
同寺は平成3年に津観音保存会を設立。昭和20年の大空襲による戦火を逃れた貴重な寺宝などの所蔵品を後世に伝えるべく、修復・整備に着手し、それらを順次、文化財申請している。
今年3月11日に国からの答申があり、同寺初の国指定重要文化財となった「絹本著色 弘法大師像」は鎌倉時代の絵画。真言宗開祖・弘法大師空海が亡くなる直前の姿を描いたとされる御影の形式を踏襲する鎌倉時代の作例。同時代の空海画像は少なからず残っているが特に保存状態が良好。画中の墨書で、以前は京都の泉涌寺に伝わったことが判る作品で、文化史的にも重要な研究材料となり得る作品との評価を受けている。
更に、今年3月25日に9件16点が津市指定有形文化財の指定を受けた。内訳は絵画(全て絹本著色)が①「尊勝曼荼羅図」(室町時代)、②「釈迦十六善神像」(鎌倉時代末~南北朝時代)、③「五大尊像」(室町時代)、④「不動明王像」(室町時代)、⑤「大随求菩薩像」(桃山時代~江戸時代)、⑥「高野四所明神像」(桃山時代)、⑦「職貢図」(明時代)、典籍が⑧「紺紙金銀字千手陀羅尼経」(平安時代後期)、⑨「紺紙金字妙法華経」(平安時代末~鎌倉時代)。
一部を紹介すると…「尊勝曼荼羅図」は伝統的な技法で描かれた仏画だが、天台寺門系に通ずる作風で、真言宗の有力な寺院である同寺に伝わっているのは極めて異例の作品。「不動明王像」は独鈷杵を持つ赤不動を描いた画幅。同じような姿を描かいた本格的な仏画はほとんど知られておらず、資料的価値は極めて高い。尊勝曼荼羅図と同じく、特異な個性を持つ中世仏画の遺品として特筆すべき存在と評されている。その他の文化財も、全国的に見ても希少な品々が揃っており、文化的価値は非常に高い。
同寺は昨年に真言宗醍醐派の別格本山へと昇格。今回、初めて国重要文化財指定の答申を受けたことは、その格式を裏付ける上でも重要な意味を持つ。今後も、所蔵品の文化財申請を積極的に実施。津市民共有の財産として更に価値を高めながら、津市の文化レベル向上にも貢献していく。
津観音資料館で、5月29日まで「平成27年度 新指定文化財展」を開催。開館時間10時~17時。4月14日~19日は臨時休館。弘法大師像は4月19日~5月8日まで東京国立博物館での「平成28年 新指定 国宝・重要文化財」に出展。津観音資料館での展示は無い。
2016年3月31日 AM 5:00
24日、地元住民らでつくる「㈱フューチャー・ファーム・コミュニティ三重」が7月2日にオープンさせる新施設の名称を「朝津味」、一連の高野尾地域活性化プロジェクトの名称を「高野尾 花街道」に決定したと発表した。
同プロジェクトは、ファーマーズマーケット・フードコート・研修棟などを備えた農業がテーマの新施設を建設し、赤塚植物園の所有する里山公園レッドヒルヒーサーの森を連結。その周辺に大規模な花畑を整備し、花をキーワードに高野尾地域を活性化させる。
名称は計198件の応募から選考した。「朝津味」は朝摘みの新鮮な野菜から朝採れた津の味覚という意味がある。「高野尾 花街道」は高野尾町を花のまちとして活性化させるという思いが込められている。
赤塚植物園の赤塚充良会長は「地域の交流人口を増やし活性化につなげていく」と意気込みを語った。
2016年3月31日 AM 4:57
津市神納町の「ホンダカーズ津・新町店」のショールームで、今年も「横輪桜」が見頃を迎えている。
「横輪桜」はソメイヨシノなどに比べて2~3倍の大きさの花びらをつける。色が濃く、一輪あたりの花びらの数が多いのも特徴。非常に珍しい品種で、全国でも伊勢市の横輪町にのみ存在することから「横輪桜」と呼ばれている。
同社の創業者で、現会長の一志清人さん(80)は同町出身で7人兄妹の3男。現在でも実家の敷地には8本もの「横輪桜」が植えられ、春に満開の花をつけることから思い入れも強く、毎年4月に同町で開かれる桜まつりを前に実家を訪れ、枝の剪定や手入れをして観光客を迎え入れる準備をする。
その際に出る切り枝を花瓶に挿してショールームに展示しているもので、今では同店の春の風物詩となっている。
来場者の目を楽しませているこの横輪桜、4月10日頃までは観賞できるという。
2016年3月31日 AM 4:57