雑談力という言葉がある。雑談は近所付き合いにおいてもビジネスの場においても人間関係の潤滑油である。大事な話の前に雑談で打ち解けられれば、営業もうまくいくというもの。ご近所トラブルにも無縁となる。
その雑談を盛り上げるにはという話をしていたら、大阪の大学出身の人が大学生活四年間で雑談力を鍛えられたと話してくれた。「大阪では相手がボケたらツッコミをせなあかん。話にはオチがないと許されへんのや」
大阪人のコミュニケーション力については定評がある。相手がボケればツッコミ、相手がツッコメば、ボケる。そして「なんでやねん」。まるで型のようなやり取りである。一つの完成されたコミュニケーション技法と言える。
三重県は西の文化と東の文化が入り混じる立地。大阪風コミュニケーションも普通に存在する。ボケツッコミもノリツッコミもできなくはない。型通りに反応できないまでも、相手のボケを本気にしないで笑ってくれる土地柄である。
私自身もどちらかというと関西系で、だらだらオチのない話を聞かされると「それで?」と言いたくなる。オチのある話大歓迎だ。
くだんの大阪経験者によると、自分で話をする際には予めオチをどうつけるか考えておくべきだそうだ。そこまではできなくとも、小さなオチで小さな笑いを取りたいと思うのである。
(舞)