LPレコードの再評価しきりとか、行きつけのレコード店の話では、音楽雑誌などでLPの名盤を見つけて取り寄せを依頼にくる人がいるそうです。ならば私もLPをと、愛蔵の名盤をあれこれ取り出しては暫く休眠していたレコード・プレーヤーで聴いています。
夜、ご近所が寝静まってから、私の好きなチェリスト、ヤーノシュ・シュタルケルの名盤「コダーイ《無伴奏チェロ・ソナタ》」をターンテーブルにそっと乗せて一人で聴いていると、何だかしんみりした気分になります。半開きにしたプレーヤーのカバーに、静かに回転するLPのレーベルが映るのは、CDでは味わうことのできない良い眺めです。
私のプレーヤーは、中の中級といったところでしょうか、「マイクロ精機」製のベルトドライヴ方式です。当時すでに、電子制御によるダイレクトドライヴ方式のプレーヤーが出まわり始めていました。しかし、敢えて私は、黒を基調にした武骨なデザインの「マイクロ精機」製ベルトドライヴを選びました。
「マイクロ精機」は、今は会社が無くなっているようです。戦時中は、戦艦の建造にかかわっていた会社だったと聞きました。真偽のほどは分かりません。戦後、兵器製造の会社が平和産業に転じて、精密機器の製造などで「メイドインジャパン」の名を高めたのはよく聞く話です。武骨なデザインと、戦艦の砲身を連想させるずっしり重いターンテーブルから察すると、「マイクロ精機」もそのひとつだったかも知れません。
ところが最近、使用頻度が高くなったせいか私の愛機の回転速度がおかしくなってきました。速度調整装置を使って微調整を試みても、一向に効きめがありません。そこでオーディオマニアの友人に助言を求めました。原因は、ベルトが劣化して緩んできているのではないかとのこと、早速予備に残していた新しいベルトに交換したところ、たちまち正常に戻りました。何ごとも「緊張」が肝要ということです。
余談ながら、私が総合文化センターにいたころ、田畑総長からよく聞かされました。「三重県に帰って来て県内を方々まわってみると、三重県は気候温暖なせいか皆さん穏やかで親切な人が多い。しかし、総合文化センターのようにたくさんの人が出入りする施設では、穏やかで親切な中にも常に〝緊張感”を持って仕事をすることがたいせつだ」と。
レコードプレーヤーの話でした。私の愛機は、持ち主同様に相当な「高齢」?のはずです。ベルトを交換してからは使用頻度を我慢して、多くても一日LP3枚に制限し、無理をさせないように扱うことにしました。今は、正確に、静かに、そして忠実に名曲を聴かせてくれます。
さて今夜は、ジャケットに「世紀の名演」とある、フルニエとバックハウスによる「ブラームス・チェロソナタ《第2番、第3番》」と、同じくジャケットに「不出世の顔合わせ」とある、ミケランジェリとチェリビダッケ・パリ管による「ベートーヴェン・ピアノ協奏曲《皇帝》」の2枚を聴くことにします。
(元・三重県総合文化センター副総長兼文化会館長)

だれもが知っているアニメーション映画の名作・傑作を生み出し続けてきた名監督、高畑勲さんが三重にくる!
三重県生涯学習センターは4月17日(日)13時~(開場12時半)、三重県文化会館中ホールで、高畑勲講演会「映画を作りながら考えたこと」と、映画「かぐや姫の物語」の上映会を開く。
高畑氏は1935年伊勢市生まれ、岡山育ち。59年東京大学仏文科卒後、東映動画へ入社。テレビ「狼少年ケン」で初演出。劇場用映画「太陽の王子ホルスの大冒険」で初監督。
以降、「アルプスの少女ハイジ」「母を訪ねて三千里」「赤毛のアン」「じゃりん子チエ」「火垂るの墓」「おもひでぽろぽろ」「平成狸合戦ぽんぽこ」ホーホケキョとなりの山田くん」などを発表。
2013年には最新作「かぐや姫の物語」を公開。毎日映画コンクールアニメーション映画賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞(アニメーション部門)などを受賞。昨年には第87回米国アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞にノミネートされた。
当日第1部(13時~14時15分)の講演会では、高畑監督が映画を作りながら感じたこと、考えたこと、そして、映画「かぐや姫の物語」に込めた思いを語る。
また、第2部(14時半~16時50分)で映画「かぐや姫の物語」を上映する。
全席指定(第1部・第2部の通し券)。一般1500円、学生(25歳未満)1000円。県文チケットカウンター、チケットぴあ(Pコード631─533)、サークルK・サンクス、セブンイレブンで取り扱い。
問い合わせは三重県生涯学習センター☎059・233・1151。

後方左から、「専修寺こんにゃく」のレンコン粉入り、米粉入り、 さしみこんにゃく。手前が「レンこんちゃんとなかまたち」

後方左から、「専修寺こんにゃく」のレンコン粉入り、米粉入り、
さしみこんにゃく。手前が「レンこんちゃんとなかまたち」

「昔ながらのおもち風こんにゃく」

「昔ながらのおもち風こんにゃく」

中西万喜夫さん(左)と次男の智彦さん

中西万喜夫さん(左)と次男の智彦さん

高田本山専修寺の寺内町として知られる津市一身田町にある、「杉甚商店」=店主・中西万喜夫さん(67)=では、三重短期大学1年生で食物栄養学専攻の6名と共同開発した「専修寺こんにゃく デザートこん」を今年1月から販売している。
このこんにゃくは、一身田商工振興会の取り組みで、一身田の複数の店舗と、同大や高田短大の学生がコラボして、同寺の名物である「蓮」をモチーフに開発した商品の一つ。地域の関係団体でつくる一身田印認定協議会に、新たな地域ブランド「一身田印」の商品として認められた。
特徴は、様々なおかずの材料として使えるだけではなく、きな粉や砂糖醤油をかけるなどすると、美味しくてカロリー控えめのデザートにもなること。
全3種類あり、内容は、国内産のレンコンパウダーを練りこんだ「レンコン粉入り(280g)」と、県産米粉入りで、サイコロ状にカットされており、プルンプルンとした食感の「米粉入り(280g)」と、「さしみこんにゃく(370g)」。各380円。
さらに、この3種類が180gずつ入ったセット「レンこんちゃんとなかまたち」も540円で販売している。
商品開発では試作を重ね、きな粉をかけた「昔ながらのおもち風こんにゃく」など様々なレシピも考案した。
中西さんは「皆さんに、まずは食べて頂き、こんな料理を作ったというアイデアを教えて頂いて、ほかのお客さんにもそのアイデアを伝えられたらと思います」と話している。
また中西さんの次男で、同店でこんにゃくの製造などを担当している智彦さん(39)は商品開発を振り返り、「『レンコン入り』は、試作のときレンコンらしい色を出すことが難しく、最初は濃すぎたりしましたが、実現できました」と話した。
価格は全て税込み。問い合わせは同店☎津232・2145へ。

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