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津市が4月より運用開始した『徘徊SOSネットワーク津』。認知症高齢者が徘徊などで行方不明になった場合、関係機関で情報共有することで早期発見・保護や、本人や家族の負担軽減をめざす。だが、高齢者の登録数は6月初旬でまだ17名と更なる周知が必要で、津市がこれまでに7000人近く育成してきた認知症サポーターの活用も制度をより有意義なものにするカギと言える。
津市の総人口約28万人のうち、65歳以上の高齢者は平成26年10月で約7万6000人。そのうちの約8000人が要介護認定の自立度Ⅱ以上という内訳になっている。昨年度、認知症の高齢者が徘徊で行方不明となったのは全8件。うち1件は死亡に至っている。これ以外にも、大事に至る前に家族が気付いたり、近所の人に保護されたケースを含めると、相当の数になることが推測される。
このような背景から『徘徊SOSネットワーク津』が4月より運用開始されている。これまで認知症高齢者が徘徊などで行方不明者となった場合、警察、地域包括支援センター、介護事業所、民生委員・児童委員などに電話で氏名と特徴を伝え捜索を開始するという流れだった。電話で連絡を取り合う時点で時間がかかってしまうため、行方不明者の確認や捜査に至るまでの時間がかかりすぎるという欠点があった。
同ネットワークのシステムを簡単に説明すると、徘徊の心配がある高齢者を持つ家族などが津市か、各地域包括支援センターで事前登録(無料、要介護度などの基準はない)を行う。そこで登録された対象者の基本情報(氏名、住所、身長、体重、歩行の程度など)や上半身の写真などを申請者の同意に基づき、中核的機関となる津市、地域包括支援センター、津警察署、津南警察署で共有する。そして行方不明者が出た場合は、津市から、こちらも事前登録している協力機関へとメールで情報配信を行う。協力機関は従来の捜査でも活躍していた民生委員・児童委員や高齢者施設に加えて、津市が平成20年より育成中の認知症サポーターなど、一般からも広く募り、より多くの目で登録者を見守り、保護までの時間を短縮することを目的としている。また、登録者の靴に貼るだけで、ネットワークに登録していることが分かる反射ライト用シールを10足分配布している。
しかし、4月の開始から6月初旬までの登録者は17名とまだまだ周知が必要な段階といえる。加えて、協力機関も130件で民生委員・児童委員が中心と従来のネットワーク以上に広げられていないのが実情。この点に関して特に活躍が期待されるのが津市の養成講座を経て認知症について知識を学んでいる認知症サポーターだ。津市は平成20年度~平成27年度で7000人近くの認知症サポーターを養成してきたが活躍の場の確保も課題となってきた。捜索や日常から見守りを行う場合にも認知症高齢者との係わり方についての知識があるとネットワークと上手くマッチングでき、それだけで大きな力が得られることは間違いない。
県内でも鈴鹿市や四日市市などでも、同様のネットワークが立ち上げられており、付随する施策も展開されている。例えば、東海地区でいちはやく災害情報などを配信するエリア・ワンセグ放送を導入した尾鷲市では、市内の全世帯に配布した受信機を活用。冬場など、発見が遅れると命に係わる場合、家族の同意の上で受信機を通じて、登録者の顔写真などの情報配信を行うとしている。津市でも整備に向けて検討が進められている防災情報戸別受信機も活用がでるかもしれない。プライバシーの保護という観点は重要だが、津市高齢福祉課でも技術の進歩などでネットワークが利用できるものが増えれば、積極的に活用していきたい」と話している。
徘徊の恐れがある認知症高齢者を登録したいという人や協力機関として参加したい場合は、津市高齢福祉課☎059・229・3156へ。
2016年6月23日 AM 5:00