息子の結婚が決まったと、友人から嬉しげな報告があった。息子たちも娘たちも結婚したがらないこの時代に、よく決心したとほめてあげたそうだ。私もうらやましい。我が子もそろそろ結婚してほしいものである。 それでそれでと、私は聞く。結婚式には留袖を着るの?ドレスを着るの?近頃晴れやかな場所にとんと無縁な私は、そこが関心事。どこのどんな娘さんがお相手かとは、あまりに踏み込みすぎで聞けないので、それぐらいの話題がちょうどよい。 向こうのお母さんと一緒にドレスを見に行ったと友人は言う。紫のフリルのやら、バラのついたのやら、いっぱい着てみて楽しかった。でも、やっぱり花嫁さんより目立ってはいけないので、黒のシンプルなドレスにしてきたわ。 私は友人の舞い上がりぶりがおかしくなる。彼女は無謀にも若い人と競い、場合によっては勝つつもりだ。少し水をかけてやる。だいじょうぶ。いくら派手にしても、きれいなおばさんになるだけだから。 えっ、おばさんなん!悲鳴のように返ってきた。おばさんと呼ばれるのがご不満らしい。おばさんがおばさんで何が悪いと私は思う。りっぱなおばさんとして花婿の母の存在感を示してほしい。 若さばかりが価値ではない。きれいなおばさんなら上等じゃないかと言ってやった。 (舞)