国の「がん対策基本法」の成立から10年を迎え、同法に基づく「がん対策推進計画」によって50%の目標を抱げているがん検診の受診率が全国で伸び悩んでいる。津市でも胃がん・肺がん・乳がん・子宮がんなどの検診を行っており、年を追うごとに受診率は向上しているものの、まだまだ十分と言える状況ではない。検診はがんの予防や早期発見に大きく貢献するため、更なる受診率の向上が求められている。

 

日本人の3人に1人の死因となっているがんは国民病といわれており、その現状を打開することを目的に06年に「がん対策基本法」が成立。翌年の同法施行に伴い、「がん対策推進計画」が策定されている。同計画には、国や自治体が、がん検診の受診率向上に取り組むことが盛り込まれており、その目標値に50%が掲げられている。
その背景には欧米諸国と比べると、日本の受診率は非常に低いことがある13年の20~69歳の女性の子宮頸がん検診受診割合を比較してもアメリカ85%に対し日本は37・7%とその差は歴然。がんが原因で死亡する人を減らすという観点からも受診率の向上は急務といえる。
津市でも、国が推奨する胃がん・肺がん・大腸がん・子宮がん・乳がんに加え前立腺がんと肝炎ウィルスの検診を実施(対象年齢は子宮がんの20歳と乳がんの30歳を除き原則的に40歳以上が対象)。今年度も7月より来年の3月まで対象者に向けて検診を行っている。更に子宮がんと乳がんはそれぞれ20歳と40歳になる女性に無料クーポン券を送り、受診を促している。市の調べでは平成26年度で胃がんの受診率が27・9%肺がん検診が38・1%・大腸がんは34・8%。これらとは少し算定方式が異なるが、乳がんと子宮頸がんに関しては、平成25年度の国の調査への報告でそれぞれ45・9%と58・7%と全国平均を上回る数字を記録しており、年々向上しているものの、まだまだ十分とは言い切れない。
加えて、これら受診率は農林水産業従事者以外の就業者が入っておらず、企業が自主的に実施している検診の実態も反映されていない。中小企業では、がん検診にまで手が回っていないことも多いと推測されるため、これらの層へ検診の重要性を訴えていくことも非常に重要といえる。
市の検診は費用の大部分を市が負担していることもあり、指定の施設や保健センターなどで受ける集団検診なら受診料が肺がんの500円から胃がんの内視鏡検査の3000円と安い。個別検診なら少し受診料は上がるが、指定の協力医療機関で自分の都合に合わせて受診できる。こういった負担の少なさや早期発見による生存率の向上など、検診の意義を今以上に伝えていく必要がある。津市健康づくり課でも、「特に働き盛りの40代~50代の受診率を向上させていきたい」と話している。
幸い津市は協力医療機関が多く、受診する側に上手く検診の意義が伝えられれば、受診率の向上に繋げられる環境は整っている。自治体の取組みも重要だが、自らの命は自らで守るという市民側の意識改革も求められているといえよう。
検診に関する問い合わせは津市健康づくり課☎059・229・3310へ。