『㈱FAMIE』=津市高茶屋=はイベント企画、広告代理業、地域ポータルサイト「FAMIE」の運営、同市一身田地区をはじめ様々な地域のコーディネーターなどの幅広い事業を通じて、県内の企業・地域・人を繋ぎ、地域活性化に貢献している。
同社は、代表取締役の若林祐基さん(37、同市出身)が、橋南中学時代からの友人で写真家の浅田政志さんとつくった「若浅屋」がルーツで、2011年設立。
提携する県内企業や、地域、同サイト会員から様々な依頼を受け、イベントや商品開発など、地域でのお金の循環を生み出す企画で実現している。
例えば「津うなぎ専門店組合」が今月29日、なぎさまちベイシスカと近くの海岸で小学生の親子対象に開く「うなぎ放流会」。希少化・価格高騰による消費者のうなぎ離れを防ぐことが目的で、各店でどんな人がうなぎを焼いているのかなどを伝え、参加者とのコミュニケーションを図る。
また地域盛り上げ隊の一員の「中伊勢温泉郷観光推進協議会」に加盟する温泉宿が行った、松阪牛のメニュー開発にも携わった。
さらに、同社の地域活性化のためのアンテナショップの運営を、同隊の仲間で、三重のママによるサークル「mamie clony」に任せることで、子育てが一段落したら仕事復帰したいというメンバー達を支援している。
これら同社の事業の特徴は、依頼主など関係する様々な人から要望を聴き、きめ細かく応じていること。その結果、関係者との間に、持ちつ持たれつで地域活性化に取り組む関係が自然と生まれているそう。
若林さんは「地域コーディネーターとして、住んでいる人の思いとか、そのまちならではの〝色〟が大事だと思う。まちの良さは住んでいる人達が一番よく知っているので、一身田地域でも、僕が『こうであるべき』と言うのではなく、住んでいる人に、地域をどういう風にしていきたいかを聴き、相談しています。
また飲食店と学校のコラボ商品開発の企画では、先生とだけやり取りするのではなく、生徒達にも『おっちゃん、君らのやりたいこと叶えるわ』と言って要望を聴きました」と話す。
そして同社の熱心な活動の根底には、若林さんが児童擁護施設で育った経験から抱いている、今の時代の子供達への思いがあるという。「将来のことは、育った環境で初めから決まっていると考えている人も多いと思います。
僕も、以前は自分の過去の環境を人に言えなかったし、自分の汚点だと思っていて、そうではないことに30歳くらいまで気付かなかった。
僕でさえそうなので、今の子らがなかなか気付くわけがないし、気付かずに人生を捨てかけてしまう子もいるので、FAMIEの活動によって、どういう環境にあっても、どんな学校を出ても、どんな生活をしていても、頑張ることで何でも叶うということの足跡を残していきたい。
そして、将来〝地域のお世話係り〟として、もっとすごくなってくれる人達が出てくるための道筋も作りたいです」と若林さん。
HP=http://famie.jp/