暑さ寒さも彼岸までというが、秋を実感する日はすでに来ただろうか。昔の人は「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」と詠んだ。
無風流な私は、お尻で秋を知る。トイレの便座が基準。座ってひやっと感じた日が、秋の始まりである。夏の間は冷たい便座が気持ち良かったのに、ある日突然冷たい便座が不快になる。
我が家がトイレを洋式にしたのは、三十年以上も前になるが、そのころから暖房便座があった。便座は暖かくなくちゃ。
でも、海外に出ると便座が冷たい。トイレ先進国と思われるヨーロッパでさえも便座は冷たい。トイレに暖房があっても、有料トイレであっても便座は冷たい。
便座があるだけましだと言われたこともある。便座なしでどう使うのかというと、スクワットの要領で、太ももを使って体を支える。もしくは片足だけ便器の縁に上げる。もしくは便器に乗る。
どうも、便座にこだわるのは、日本人だけらしい。暖房便座の代わりに便座カバーでもと思うが、あれも海外では使われていないようなのだ。
誰かのお尻が乗ったカバーは汚いという感覚があるという。それなら、誰かのお尻が乗った便座はどうなのかと思うが、それは大丈夫だそうな。きれいか汚いか、冷たいか冷たくないか、感じ方の差が、トイレ文化の違いなのだろう。
(舞)