スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」だが、三重県内でも希少なポケモンが出現することで知られている津市香良洲町一帯にはサービス開始以来、市内外から多くの人々が集まっている。しかし、それらの人々の一部が迷惑駐車・私有地への侵入など様々な問題を引き起こしており、地域住民の頭を悩ませている。この事態を受け、津市と津南警察署は、運営会社に然るべき対処を求めている。

 

配信以来、人気を博しているポケモンGO。鳥取砂丘のように観光誘致での活用をねらう自治体もある一方、東京・お台場のように多くの愛好者らが車道になだれこむという負の要素も報道されている。
津市香良洲町は三重県内でも指折りの珍しいポケモンが出現する地域として愛好者の間では有名。市内のみならず、休日には県外からも遠征に訪れる人々が大勢いるほど。しかし、その愛好家たちが集まることで起こる様々な問題が地域住民の頭を悩ませている。
それら問題の例を挙げるとポケモンを捕まえようとする人による商業施設の駐車場や路上への迷惑駐車、私有地への侵入、ポケモンが出るポイントなどを低速で車を走らせながら地域内を周回、幅の狭い道路に連なって一時停車する等々。最近はポケモンが出現している時間を表示するアプリやネット上の掲示板などの情報を頼り、特に珍しいポケモンが出現している時間には多くの人々が殺到。道路が車であふれかえるという事態まで発生している。
これら問題を抜きにしても、昔ながらの住宅街を不特定多数の人々が訪れる現状に不安を覚える地域住民も多く、津市や津南警察署に苦情が寄せられている。
地元にある香良洲駐在所だけでは人員数的にも対処できないため、津南警察署では特別体制でパトロールや、ながら運転など交通違反者の取り締まりを行っている。幸い事故や事件にまでは発展していないもののいずれそういったことになる可能性は否定できないため、警戒を続けている。
事態を重く見た津市と津南警察署はゲームの運営会社にポケモンの出現を抑えるなどの対応をとるよう要望している。敷地内でプレイ禁止を促す観光地も増えており、海外では開発会社への訴訟も発生している。
現実の地形をゲームのフィールドとして活用するアイデア自体は、観光や商業的な集客にも繋げられる要素を持っているが、香良洲町の場合は地域事情とのミスマッチが混乱を引き起こしたと言える。
休日に香良洲町を歩いているとながら運転も目立つため、愛好家のマナー改善は急務といえるが、根本解決には運営会社の然るべき対応が求められている。