津市委託の文化創造事業『森の劇場プロジェクト2016』=長野多恵代表(白山町、ポプラ身心育成研究会主宰)=の目玉として今年12月25日、白山総合文化センター=同町二本木=しらさぎホールで、津市オリジナル舞台作品「コノ村『山神』伝」のプレゼンテーション公演が行われる。来年から、本公演が継続上演される予定。市民生活の豊かさ向上にも繋がる白山総文の活性化に向け、大きな第一歩となりそうだ。

 

白山総合文化センター

白山総合文化センター

目玉事業の公演や参加者募集をPRする長野代表(後列右)らプロジェクトメンバー

目玉事業の公演や参加者募集をPRする長野代表(後列右)らプロジェクトメンバー

津市白山総合文化センターは、客席数604のしらさぎホール・図書館・生涯学習ゾーンからなる複合施設。24年に劇場の活性化における、国や地方公共団体の役割・関係者の連携などについて定めた「劇場法」が施行。これを受け26年、津市民文化祭特別研究事業「森の劇場育成プロジェクト」で同ホールの活用方法の検討・提言が行われ、今年4月の『森の劇場プロジェクト2016』発足へと繋がった。
プロジェクトメンバーは芸術・教育・地域活性化など様々な分野で活動している幅広い年代の市民26名。代表の長野さんは、幼児~小学6年対象のモダンバレエスクールや、18歳以上を対象とする、便利な現代の生活の中で疲れた体を、元々の快適な状態に戻す体操教室を開いている。
目玉事業が12月25日12時半~、同ホールで行う津市オリジナル舞台作品「コノ村『山神』伝」(脚本=西田久光、演出=山本賢司)のプレゼンテーション公演(本公演の予告)。さらに来年、市内の大人と小学生を対象に出演者を募って本公演が始まり、継続上演することが予定されている。
そしてプロジェクトの重点の一つが、自然豊かで高齢者が多い白山町ならではの「生活の中にある芸術」で、例えば同作品にも登場する整備された田んぼの造形美や、お年寄りが衣服を可愛らしく繕うなどして物を大切に使う昔ながらの文化。そこで、そのような〝芸術〟を生み出す地域住民が、インターネットなど人以外から大量の情報を得ている現代の子供達と交流し、本能や感性に直接働きかけられる空間をつくりたいと考えている。
そのため住民に気軽に白山総文で活動してもらい、本公演の衣装を縫ったり縫い方を子供達に指導してもらうなど、様々な関連企画を検討しているという。
「この公演を、皆さんが来年どうやって過ごすかを考えたり、生きる希望を持てるような、今の時代に形を変えた〝まつり〟の場にしたいです」と長野さん。
白山総文が市民生活に豊かさをもたらす施設として活性化するには、芸術・文化だけでなく教育・観光など多様な分野に関わる人や団体が、官民などの組織を越えて情報共有・密に連携することや、それらをコーディネートする人材の育成も重要といえる。
劇場法に定められた実演芸術の拠点である文化ホールのあるべき姿を考える上でも、単なる先進事例の模倣ではなく、ホールをとりまく地域の日常や豊かな自然こそが〝芸術〟であるという原点に即した取り組みは意義深い。幅広い分野で活躍するメンバーが関わる同プロジェクトは、その大きな第一歩となりそうだ。
なおプレゼン公演で客席から挿入歌を唄ってくれる参加者を募集中。本番前に5回(10月31日、11月16日・30日、12月16日・24日の19時半~20時20分)の練習が同ホールである。指導は長野さん、元宝塚歌劇団娘役トップの南風舞さん、合唱団「うたおに」ほか指揮者の小柴信之さんらで「楽しく、気持ち良く、自分のカラダを感じながら声を出してみましょう」としている。
▼定員百名▼対象=年齢・性別不問。できれば練習に3回以上可能な人▼参加費=今年は準備の年のため無料▼申込方法=白山総文(火曜休館)へ☎津262・5893又はFAX262・5445で、申込者全員の氏名(ふりがな)、年齢、代表者の住所・☎・FAX番号を伝える。

◆和小物の「秋のしつらえ展」 津市久居中町の和紅茶(国産の紅茶)をメインとする紅茶の店「茶寮 多喜」併設のギャラリーで10月31日まで開催中。長崎県佐世保市近郊でギャラリーを運営する森園美智子さんの協力による作品展。また同店ではネパールの美味しい紅茶も用意している。
営業時間は10時~16時、水・木曜定休。10月23日は臨時休業。駐車場は店向かいのNO.1~4。☎059・256・3135。

美しい演舞を披露する学生達

美しい演舞を披露する学生達

7日、津市殿村の介護老人保健施設「トマト」を、津まつりの安濃津よさこいに台湾チーム「Time for Taiwan」として出場した『華岡芸術学校』=台北市=の学生約50名が慰問した。
学生達は、同施設や隣の老人ホームさくらの利用者約135名を前に、台湾の先住民・アミ族の華やかで力強い舞踊や、日本語による劇を交えた演舞、台湾の民謡に合わせた、台湾独特の祭りをモチーフにした踊りの計3曲を披露。
踊り終えると、利用者達と記念撮影や握手などで楽しくふれあった。

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