講演する岡田教授

講演する岡田教授

講演する門さん

講演する門さん

10月21日~23日、全国に約3000人の会員を有する「歴史研究会」の第32回全国大会「美し国三重・津大会」が開催された。
同会は全国の歴史研究家や歴史愛好家によって構成。全国大会は県内で初開催。三重歴史研究会=椋本千江会長=が中心となって、企画・準備を進めてきた。全国から約250名の会員たちが集まった。
初日の21日には津市羽所町のホテルグリンパーク津で式典が行われ、鈴木英敬三重県知事や前葉泰幸津市長ら来賓も出席。記念講演は皇學館大學の岡田登教授が「倭姫命の伊勢巡幸」、三重県史編纂委員の歴史研究家・門暉代司さんが「伊勢商人のルーツを探る」をテーマに登壇した。
岡田教授は初代斎宮の倭姫命が伊勢の地に天照大神を祀るまでの旅路について推察。倭姫命が巡ったルートは都のあった大和国(奈良県)から、伊賀国(伊賀市)を経て、近江国(滋賀県)に入り美濃(岐阜県)と尾張(愛知県)を巡り、伊勢国に入って行くというもの。今の場所が選ばれた理由に、太陽神の天照大神は海中で鮑を食べて力を蓄えた後に東から天高く上ると考えられていたため、都の人々は東を強く意識していたことなどを挙げた。
門さんは「伊勢商人のルーツを探る~三井高利と越後屋商法」として、江戸の町に多くの店を構えた伊勢商人の代表格で今に続く三井家の基礎を築いた高利について、その生涯や常に新しい方法を打ち出した商売の心得や、家族の絆を大切にしたことが今につながる繁栄を生み出したことなどを分析していた。
22日は「伊勢別街道を巡る」として津城跡・関宿・高田本山専修寺などを、23日は「伊勢街道を巡る」として松阪城・御城番屋敷・松浦武四郎記念館などをバスで見学。大会の実行委員長で三重歴史研究会の椋本会長は「多くの方に三重の歴史に触れて頂けて嬉しい」と話した。