十一月の晴れた日、孫の七五三写真のワンカットに参加するため、写真館に行った。昔からある街の写真屋さんではなく、全国チェーンの写真館である。いやもうたいへんな混雑であった。
店に入ると数百着の衣装が吊るされており、子どものかわいい姿を写真に残したい親や祖父母にとっても、衣装を着る子ども自身にとっても、心躍る仕掛けとなっていた。小さなセットで何種類もの写真を撮る。カメラを構える女性たちが、子どもの生き生きとした表情を引き出す手腕が見事であった。
しかしながら、時間がかかる。子どもたちに衣装を着付け、メイクとヘアセットを施してカメラの前に並んだ時には来店後二時間が過ぎていた。それから写真を何カットも撮影し、その中から良い写真を選ぶにもまた時間がかかった。
待ち時間を過ごす間、様々な家族を見ていた。晴れやかな装いのママたちは、自信に満ちていた。パパたちが普段から子どもに関わっていることもよく分かった。うなじのあたりに少年っぽさの残る若いパパでさえ、子どもを抱き上げるしぐさは慣れたもの。たっぷり愛されている子どもたちの姿に安心と感動を覚えた。
誰でも簡単に写真が撮れる時代に、高く売れる写真を提供する写真館。子どもを大切に思う親の心をくすぐる術をよく知っていた。   (舞)