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12月4日・5日、津市芸濃町椋本の津市芸濃総合文化センターホールで、坂手洋二描き下ろし・演出、竹下景子主演の劇団・燐光群による舞台『天使も嘘をつく』が上演される。主催=燐光群・㈲グッドフェローズ・芸濃町を芸濃い町にする会。共催=津市自治会連合会芸濃支部。後援=津市・津市教委・本紙ほか。同会の伊藤裕作さんの人脈を生かし、町内で個性的な演劇作品を上演し続けており、今回も注目を集めそうだ。
伊藤さんは 津市芸濃町椋本出身。大学進学以来、東京を拠点に長年、文筆家として活動を続けている。還暦を機にふるさとの芸濃町と東京を行き来しながら、自らの人脈を生かし東京の劇団を招いて公演を行ったり、津市無形文化財である椋本獅子舞の継承に奮闘する人々の姿を捉えた映画「獅子が舞う」を制作した。更に、日本で唯一の芸濃町という名前に着目し、「芸濃町を芸濃い町にする会」を地元有志と共に設立。事務局長として活躍し、昨年10月には会の旗揚げとして「流山児★事務所」による『西遊記~JOURNEY to the WEST~』を上演。今年5月、地元の東日寺境内に一から野外舞台をつくりあげた水族館劇場の公演は1700名以上の観客を動員している。それら活動の成果として伊藤さんは今月10日に、鈴鹿土曜会と三重文学協会から斎藤緑雨文化賞を受賞。同18日には津市の文化奨励賞も受賞している。
今回、芸濃町で上演する女優・竹下景子さん主演の劇団燐光群による舞台「天使も嘘をつく」は、同劇団の主宰で長年にわたり日本劇作家協会の会長を務めた坂手洋二さんの描き下ろし・演出。東京・名古屋・岡山・兵庫でも上演されるが、坂手さんと伊藤さんが30年来の親交があるため、芸濃町での公演が実現した。坂手さんは、同性愛をテーマにした「カムアウト」や、ゴミというものを軸に東京で生きる人々の孤独を強く照らし出す岸田國士戯曲賞受賞作「ブレスレス」など、リアルタイムで起こっている社会問題をベースにした劇作で知られる。
今回上演する「天使も嘘をつく」で、竹下さんが演じるのは映画監督のクリモトヒロコ。日本の南西にある自然環境が豊かな離島ニシワキ島で当初はメガソーラーの建設計画に反対する住民運動の映画を撮影していた。しかし、計画の裏に隠されていた自衛隊の配備計画と対峙していくことになるというストーリー。
18日、東京都の座・高円寺であった公演の初日を終えた竹下さんは「これほどタイムリーな芝居は世界中のどこにもない。舞台のベースとなっている沖縄の離島で起こっている問題は、自然と共に生きてきた人たちをすくい取っていく。実際に起こっている超現実的なテーマを、非日常である劇場に持ち込んでいくのが坂手さんならでは。三重の人にもより良い公演をお届けできたら」と意気込みを語った。坂手さんも「舞台を通じて、今の日本で起こっていることを良いことも悪いことも含めて知ってほしい」と話している。
公演は12月4日15時開演、5日19時開演の2回。チケットは全席自由席。受付開始は開演1時間前。客席開場は開演の30分前。前売は舞台に近いS席3000円(4日分は完売)。A席2000円。当日券2500円。前売券は芸濃地区社協☎津265・4890、津市商工会芸濃支所☎津・265・2304、芸濃町を芸濃い町にする会☎080・9426・0225へで販売中。
公演についての問い合わせは芸濃い町にする会へ。
2016年11月24日 AM 5:00
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