公共施設は時代のニーズの変化や、老朽化による更新費などと向き合いながら、どう最適化していくかが課題となっており、津市はその指針となる「津市公共施設等総合管理計画(案)」を公開している。市内に1118施設(インフラ系施設を除く)を抱え、全国的にも市民一人あたりの延べ床面積が類似規模の団体で最大など解決すべき問題は多い。

 

老朽化する公共施設の適正管理は全国の自治体が抱える共通問題。総務省が全国の自治体に向けた要請を受け、津市が策定を進めている「津市公共施設等総合管理計画(案)」。平成29年度から30年間の公共施設管理の指標がまとめられており、津市はHP上などで公開もしている。
津市の場合は合併した旧10市町村の施設を引き継いだこともあり、その数は全国的にも多い。津市内にある公共施設数は1118で床延面積が約110・9万㎡。津市民約28万人の一人当たりの延べ床面積が3・93㎡になり、同じ規模に分類される人口25万人以上の団体の平均値1・92㎡と比べると倍以上の数値。福島市・佐賀市・山口市といった県庁所在地と比較してもトップとなる。
津市の公共施設には、高度経済成長期から続く人口増加と経済成長に対応した昭和40年から昭和57年、更に続く人口増加に対応した昭和58年~平成3年、バブル経済崩壊後の経済対策に建てた平成4年~平成17年という大きな3つの波がある。建物は30年を一区切りに大規模な改修・改造が必要と言われている。津市の公共施設は現時点で延床面積の60・8%が築30年を超えており、10年後には75%となる見込みとなる。
これら老朽化した施設に適切な改修などを加えた上で保有し続けるという前提で試算をすると、今後40年間の更新費用が約4688・9億円で一年当たりでも117・2億円となる。平成18年度から平成27年度の更新費用の年額平均約63・6億円を遥かに上回る。人口減少とニーズの変化を考慮すると、改修・廃止・統合といった取捨選択をする必要が出てくる。
公共施設はコミュニティセンター・集会場・公民館などの集会施設、文化センター・図書館などの文化施設、体育館・プールなどのスポーツ施設や公営住宅など、施設の用途別に12種に類型化されている。それらを改修や統廃合、不要地の売却などを行うにしても今後、人口の減少は顕著で津市でも平成62年まで約20・3万人まで減少するとされていることに加え、市民ニーズの多様化や財政状況を踏まえた規模への最適化が求められる。
津市がモデルケースとして、挙げているのが「(仮称)津こども園」だ。幼稚園3園と保育園1園を集約化し、多様な教育・保育ニーズに対応できる施設をつくる。それに伴い、空いた園舎や敷地を活用して老朽化したコミュニティ施設や公民館の更新を行う。その結果、不要となった土地は売却して財源とする。
先進地でも類似性や親和性のある施設を統合したり近くに集めて利便性を向上させつつ、施設数の削減を図る手法がとられていることも多い。市の財産管理課では「単純な施設数削減ではなく、市民ニーズを取り入れながら、より使い易く再配置するなど前向きな形が基本」と理解を求める。
公共施設の在り方を考える上で重要なのは市民のニーズをいかに的確にくみ取るかだろう。公共施設の利用者は市民の約1~2割と言われている。つまり、残り8~9割は公共施設を利用していない。津市の年間の公共施設の管理運営費148・8億円を賄う財源のうち、使用料収入は17・3億円に過ぎず、残りは税金などを通じて間接的に運営費が捻出されている。つまり、その施設を使っている人だけでなく、使っていない人の意見も重要となる。
市は計画推進のため、最適化の課題を整理・検討を行う市長をトップとする「津市公共施設等総合管理計画策定・推進会議」を継続設置したり、市民の意見を反映する仕組みづくりをするとしている。市民の意見を的確にくみ取りつつ、地域事情に即した規模へとどう最適化に取り組んでいくかが課題といえる。

hisai昨年12月25日、イオン久居店で津市少年野球連盟所属7チーム35名の選手たちと「久居地区明るい社会づくりの会」=山田岑生会長=が福祉・青少年育成のための募金活動を行った。
日頃から野球で培っている強い精神力と身体だけでなく、ボランティアの精神を養ってもらおうと毎年開いているもの。22回目。
各チームのユニフォームを着た選手たちは店舗の入口に整列。募金箱を手にしながら買い物客たちに「募金のご協力をよろしくお願いします!」と元気いっぱいの声で呼びかけた。年末も迫り、あわただしい雰囲気の中、足早に急ぐ買い物客たちも、選手たちの明るい笑顔を見ると、足を止めて快く募金に協力していた。
この日の募金で集まった浄財は6万6527円。これに久居明社の会が集めた募金を加え、3月に津市社会福祉協議会と久居中地域青少年育成会に贈られる予定。

名古屋市博物館で1月29日(日)まで、天理大学創立90周年記念特別展「ギリシア考古学の父 シュリーマン―初公開!ティリンス遺跡原画の全貌―」が開かれている。
ハインリヒ・シュリーマン(1822~1890)は、ギリシア神話の「トロイの木馬」伝説の舞台となったトロイ遺跡を発掘したことで知られるドイツ人考古学者。自伝『古代への情熱』によれば、子供の頃からギリシア神話の世界に憧れ、努力を重ねて財産を築き、ついにはトロイ発掘の夢を叶えたとされている。このサクセスストーリーは、子供に夢を与える理想の人生として、多くの偉人伝に取り上げられてきた。
しかし、近年の研究では、シュリーマンが考古学を志したのは実は中年になってからであることなど、これまでのイメージとは異なるシュリーマン像が明らかになっている。
今展では、シュリーマンが晩年に発掘した世界遺産ティリンス遺跡の貴重な報告書原画から、その実像に迫る。
ティリンス遺跡は、トロイと争ったとされるミケーネ文明(紀元前1700~1200年頃)の重要な都市で、巨人が築いたという伝承を持つ重厚な城壁が特徴。さらに今展では、シュリーマンが魅せられたギリシアやエジプトの古代文明、そして同氏の生きた19世紀の考古学について紹介する。

◆シュリーマンの魅せられた世界
シュリーマンは、詩人ホメロスの描いたギリシア神話の世界に魅了され、発掘を始めた。シュリーマンの憧れた古代ギリシアの世界を天理参考館所蔵の優品から紹介。

◆ティリンス遺跡と原画
ティリンスは、シュリーマンが本格的な発掘に取り組んだ最後の遺跡。シュリーマンによって才能を見出された若き考古学者ヴィルヘルム・デルプフェルト(1853~1940)が驚異的に精巧な遺構図を作成し、シュリーマン自ら出土品の考証に取り組むなど、シュリーマンによる発掘事業の集大成だった。
ここでは、発掘調査報告書『ティリンス』の貴重な原画を通して、偉大な考古学者の到達点を紹介。

◆黎明期の考古学と報告書
シュリーマンの生きた19世紀は西欧列強が世界中へ進出した時代。印刷技術の進歩もあいまって、各地で学術的な調査が行われ、報告書が盛んに刊行された。 ここでは、シュリーマンの発掘報告書をはじめ、ナポレオンの『エジプト誌』やシーボルトの『日本』など、この時代の重要な調査報告書の初版本を展示。
また、この時代に重要な調査対象となった地域の1つにエジプトがある。シュリーマンも、ティリンス発掘の後にエジプトで発掘を試みた。地中海を通じてギリシアとも深く結びついていた古代エジプトについても紹介する。
観覧料=一般800円。高大生600円。中学生以下は無料。
休館日=毎週月曜日(祝日の場合は翌日)・第4火曜日。
問い合わせは同博物館☎052・853・2655へ。
本紙読者5組10名に同展覧会の招待チケットをプレゼント。希望者は葉書に〒・住所・氏名・年齢・職業・性別を明記して、〒514─0028、津市東丸之内26─12、三重ふるさと新聞「シュリーマン」係までご応募下さい。締切りは1月23日必着。尚、当選はチケットの発送をもって発表と代えさせて頂きます。

名古屋市博物館で1月29日(日)まで、天理大学創立90周年記念特別展「ギリシア考古学の父 シュリーマン―初公開!ティリンス遺跡原画の全貌―」が開かれている。
ハインリヒ・シュリーマン(1822~1890)は、ギリシア神話の「トロイの木馬」伝説の舞台となったトロイ遺跡を発掘したことで知られるドイツ人考古学者。自伝『古代への情熱』によれば、子供の頃からギリシア神話の世界に憧れ、努力を重ねて財産を築き、ついにはトロイ発掘の夢を叶えたとされている。このサクセスストーリーは、子供に夢を与える理想の人生として、多くの偉人伝に取り上げられてきた。
しかし、近年の研究では、シュリーマンが考古学を志したのは実は中年になってからであることなど、これまでのイメージとは異なるシュリーマン像が明らかになっている。
今展では、シュリーマンが晩年に発掘した世界遺産ティリンス遺跡の貴重な報告書原画から、その実像に迫る。
ティリンス遺跡は、トロイと争ったとされるミケーネ文明(紀元前1700~1200年頃)の重要な都市で、巨人が築いたという伝承を持つ重厚な城壁が特徴。さらに今展では、シュリーマンが魅せられたギリシアやエジプトの古代文明、そして同氏の生きた19世紀の考古学について紹介する。

◆シュリーマンの魅せられた世界
シュリーマンは、詩人ホメロスの描いたギリシア神話の世界に魅了され、発掘を始めた。シュリーマンの憧れた古代ギリシアの世界を天理参考館所蔵の優品から紹介。

ティリンス遺跡城壁(巽善信氏撮影)

ティリンス遺跡城壁(巽善信氏撮影)

『ティリンス』図版原画(天理参考館蔵)

『ティリンス』図版原画(天理参考館蔵)

◆ティリンス遺跡と原画
ティリンスは、シュリーマンが本格的な発掘に取り組んだ最後の遺跡。シュリーマンによって才能を見出された若き考古学者ヴィルヘルム・デルプフェルト(1853~1940)が驚異的に精巧な遺構図を作成し、シュリーマン自ら出土品の考証に取り組むなど、シュリーマンによる発掘事業の集大成だった。
ここでは、発掘調査報告書『ティリンス』の貴重な原画を通して、偉大な考古学者の到達点を紹介。

◆黎明期の考古学と報告書
シュリーマンの生きた19世紀は西欧列強が世界中へ進出した時代。印刷技術の進歩もあいまって、各地で学術的な調査が行われ、報告書が盛んに刊行された。 ここでは、シュリーマンの発掘報告書をはじめ、ナポレオンの『エジプト誌』やシーボルトの『日本』など、この時代の重要な調査報告書の初版本を展示。
また、この時代に重要な調査対象となった地域の1つにエジプトがある。シュリーマンも、ティリンス発掘の後にエジプトで発掘を試みた。地中海を通じてギリシアとも深く結びついていた古代エジプトについても紹介する。
観覧料=一般800円。高大生600円。中学生以下は無料。
休館日=毎週月曜日(祝日の場合は翌日)・第4火曜日。
問い合わせは同博物館☎052・853・2655へ。
本紙読者5組10名に同展覧会の招待チケットをプレゼント。希望者は葉書に〒・住所・氏名・年齢・職業・性別を明記して、〒514─0028、津市東丸之内26─12、三重ふるさと新聞「シュリーマン」係までご応募下さい。締切りは1月23日必着。尚、当選はチケットの発送をもって発表と代えさせて頂きます。

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