スーパーの自動ドアを入ったところで、引っかかってしまった。ドアのすぐ前に並んでいたのはお徳用袋入りチョコレート。ついカゴに入れてしまう。お腹の空いたときにスーパーに行くと、いろいろ引っかかりやすい。
二月はチョコレートの月である。スーパーの目立つ場所にはチョコレートが置いてある。胸ときめかせて贈る相手がいなくとも、チョコレートを買いたくなる季節だ。
さらにチョコレートには、近年追い風が吹いている。ポリフェノールで高血圧予防だ、美肌効果だ、ダイエットだと、様々な効能が喧伝されている。昔、チョコレートがニキビやぽっこりお腹の原因と言われた頃には、食べたい盛りだったのに我慢した。あれはしなくても良い我慢だったのかと悔しい。
それでも、現代人の食生活に、我慢はつきもの。食欲のまま制限なく甘いものを食べることはできない。自由にお金を使える大人なのに、こうしてスーパーでチョコレートの袋をカゴに入れると気がとがめる。甘くておいしいものを家に持ち込んだら、今度はそれを目の前にして、食べすぎない我慢が必要になるから。不自由なことだ。
だから、今でも憧れはチョコレートファウンテン。マシュマロにからめて食べるチョコレートの噴水が、家にあったらどんなだろうかと子供みたいに思ってみる。
(舞)