テレビで紹介していた脳のトレーニングを時々実行している。運動しながら、記憶を呼び起こし、手を動かす。三つを一緒に行うと良いらしい。
ウォーキングしながらサンズイの漢字を思い出し、指で書く。サンズイの漢字はたくさんあり、きょうの私は四十五個を書けた。書けないものもある。「あふれる」はどうしても書けなかった。
そして、「とごる」はどんな漢字だろうと思った。コーヒー碗の底に砂糖がとごる。液体中で溶けない成分が底の方にたまる状態を表す。
よくよく考えると、「とごる」という漢字は思い出せないのではなく、知らなかった。家に戻って調べてみると、「とごる」という漢字がない。方言だという。三重県や愛知県など狭い地域で使われる言葉で、大阪でも東京でも使わないそうだ。私はこの年まで全国で通じると思い込んでいた。
では、標準語で「とごる」状態をどう表現するかというと、適当な言葉が見つからない。「みそ汁のみそが沈殿した」というのだろうか。理科の先生は飽和溶液の説明で「いくらかき混ぜても物質が溶けずにとごる」と言うことができない。「かき混ぜても液体の底に物質がザラザラたまる」不自由そうだ。
「とごる」は使い勝手の良い言葉だ。語感から状態を容易に推測できる。「滞る」とか「土凝る」と書いて全国に広めたら良いのにと思う。

(舞)