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JR名松線の家城駅~伊勢奥津駅間が復旧してから26日で丸1年。元々赤字路線で、活性化にはJR・沿線の行政・住民の連携による観光路線化が欠かせないが具体策は未だ見えず、同区間の先月の一日の平均利用人数はわずか60人と、復旧直後と比べ激減。全15駅中、12駅がある津市の誘客の取り組みは効果を上げているものの一時的で、駅から周辺の名所へのアクセスなどの課題を根本的に解決する施策が急がれる。
〝奇跡の復活〟から、間もなく1年を迎える名松線は平成21年10月の台風で被災し、家城駅(白山町)~伊勢奥津駅間でバスによる代行輸送が行われていた。
沿線の過疎化などの影響で元々利用者が少なく、一時は同区間の鉄道輸送廃止が危ぶまれたが、住民らが熱心な署名活動を行ったこともあり、JR東海・三重県・津市が同23年に運行再開に向けた3者協定を締結。復旧工事を経て、昨年3月26日全線復旧が実現。
その一方、前葉泰幸津市長も言い続けてきたように、同線活性化において復旧は終わりではなくスタート。JR東海の柘植康英社長も、復旧当日の記念行事で「これから沿線の観光資源を生かし、県・市・地元の方、色々な方の知恵をお借りして一人でも多くの方にお乗り頂きたい」と観光路線化に意欲を示した。
そこで津市は美杉総合支所長が都市計画部名松線推進担当参事を兼任し、同支所地域振興課が「名松線利活用関係事業」に取り組んでいる。28年度の事業予算の総額は約705万円。GWと8月~11月の計25日間には公共交通が不便な伊勢奥津駅と北畠神社を結ぶ無料臨時バスを運行し、4166人が利用した。今月26日からは、沿線の飲食店などに観光客をもてなしてもらう「JR名松線利用促進ネットワーク事業」を始める。
また県・津市・松阪市はJR名松線沿線地域活性化協議会=事務局・津市交通政策課=を組織している。
しかし、観光路線化の決め手となる施策は未だになく、JR東海によると、同区間の一日の平均利用者数は、被災前は90人。復旧直後の昨年4月11日~17日は300人弱まで増えたが、11月は180人、先月はわずか60人だった。冬は寒さ等で特に誘客が困難とは言え、復旧直後の人気が早くも低迷している大きな原因は、臨時バス運行期間以外、伊勢奥津駅や町内のほかの駅から周辺の名所や、数少ない飲食店への公共交通が極めて不便なことにある。
津市が同駅前など町内3ケ所に設置したレンタサイクルは利用者の多くが伊勢奥津駅で下車する人で、交通手段として一定の役割を果たしているが、体力のない人には利用しづらい。
また市は今年度、美杉町のコミュニティバスのダイヤを改訂し、名松線のダイヤに連動させたが、観光客向けの交通アクセスの根本解決にはならなかった。
これは全線復旧決定直後からの重要な課題だが、現在に至るまで十分に検討されていない。そもそも、名松線の活性化に関して、県・津市・松阪市や沿線の住民らが共に協議できる場が存在せず、この課題の解決や、観光路線化の長期的な積極策に官民一体で取り組むのが難しい。
全国には名松線のように復旧したものの、赤字で廃線を迎えた路線もあるため予断の許さない状況であることは明らか。市交通政策課は「協議会として行政だけでなく、住民やボランティアガイドとも連携を密にして取り組んでいきたい」としているが、復旧までに三重県と津市が約12憶2100万円を投じていることからも、更に危機感を持った取り組みは必至だ。全線復旧から1年の節目を祝うと共に、名松線の魅力を再び見つめ直し、集客に向けてどのような施策が求められるのかを改めて考える必要があるだろう。26日の全線復旧1周年記念行事の詳細は3面参照。
2017年3月16日 AM 5:00
明後日18日11時~15時、津市白山町川口の西稱寺で「お寺deマルシェ」が開催される。内容は次の通り。
◆キッチンカー=▼いなべ里山Cardeの紅はるかを使ったあまーい焼き芋▼ルポッシュの生地もクリームも選べるコロネ
◆体験=▼笑顔工房いくちゃんハウスのパステル時計500円▼Wai◎Y◎mamaのくるみボタン400円▼ハンドメイドLa pecheのキャンドル500円
◆のだの親父の、子供も大人も楽しめるマジック
◆尺八照山(しょ~ざん)による、演奏やカホン(打楽器)の体験
◆餡子と一緒に紙飛行機体験など
このほか、はちみつやさんミエール、寒紅梅酒造、野田米菓も出店する。
問い合わせは笑顔フェスタ実行委員会の杉本さん☎090・6804・6007へ。
2017年3月16日 AM 4:55
「久居ライオンズクラブ」=秋葉幸伸会長(55)、会員54名。以下久居LC=が、結成40周年記念事業の一環として、ミャンマーの東部に位置するシャン州のナウンサン村に「ナウンサン小学校分校」を建設。2月27日に落成式が行われ、メンバー12名が参加した。
この学校建設は「認定NPO法人 地球市民の会」の協力を得て、単独事業として行ったもの。
ナウンサン村は人口167人、世帯数は31。産業は農業のみで、世帯年収の平均は約12万6000円。水道・ガス・電気は通っていない。
この村には18年前まで小学校がなく、就学するには約5㎞離れた小学校に徒歩で通うしかなかった。しかし雨季には道路状況が悪くなり通学が困難だったため、村人が全員で日雇いの仕事をするなどして資金を捻出し、村内に学校を建設。
現在、約25人の児童が在学しているが、校舎は18年経って老朽化し、劣悪な環境だった。
そこで久居LCは昨秋、幅18m、奥行き9mの平屋・鉄筋コンクリート造の新校舎を着工。旧校舎にはなかった照明を設置し、その電力をまかなうためのソーラーパネルを贈呈した。
建設工事には近くの村の住民も協力。重労働だったが、新校舎を楽しみにしている児童達の笑顔を励みに尽力してくれたという。
久居LCは今夏には、学校の敷地内に農園も整備。村民が栽培を行い、将来の売り上げは、学校の維持管理に使う基金とする。
学校建設費約218万円のうち、51万円を村が負担し、久居LCは、残りと農園整備費用など合わせて約200万円を援助した。
村は豊かではないが村民にとっては現状が当たり前であり、援助は行き過ぎると村に悪影響になりかねないため、慎重に行った。
落成式では村民らが久居LCを歓迎し児童も「ありがとう!」と喜んでいた。
秋葉さんは「子を思う親の気持ちは、国を越えて同じ。学校を建ててあげたというより、現地の方と一緒に建てたという思いです」と話した。
2017年3月16日 AM 4:55