津市の市税の収納率は昨年度の現年度分で99・1%と近年上昇が続いている。市収税課では、納付相談や納税催告センターの活用など、滞納させないための取り組みと共に、支払いに応じない滞納者に対して、財産調査による預金や給与などの差し押さえを積極的に実施。困難案件に対しては特別滞納整理推進室や、三重地方税管理回収機構への効果的な移管などが成果を支えている。

 

市民税・固定資産税などによる市税は国からの交付金が減少する中、貴重な自主財源で平成29年度の当初予算案でも399億円の歳入を見込む。また、市税の収納率向上は税負担の平等性を守るという観点からも長年の課題となっているが近年、津市ではめざましい成果を上げている。
現年度分の収納率で見ると平成22年98・2%が、平成27年度で99・1%にまで向上。この結果を支えているのが滞納整理に当たっている収税課の地道な努力と業務の効率化だ。
その最たるものが現年度納付の徹底。市税は滞納してしまうと年間で9%の延滞金が発生してしまい支払いが難しくなってしまうため、滞納させない取組みが重要となる。そこで納付期限を過ぎた場合には督促状を送るだけでなく、民間委託で開設している津市納税催告センターから電話で滞納をしていることを知らせている。大部分はこの時点で納付に応じてくれるが、それでも応じない場合は財産調査を実施し、預金・給与・不動産・生命保険などの財産の差し押さえを行っている。例え滞納額が少額でも、対象者が給与所得者の場合は、勤務先への給与照会を行うなど積極的な取り組みも目立つ。平成27年度で1751件の差し押さえを行っており、このような果敢な姿勢も抑止力として働いていることは間違いないだろう。
もちろん、経済的な事情があって納付できない場合などは、個別に納付相談も受け付けており、年4回、休日にも相談・納付窓口も開設している。
また、平成23年4月に収税課内に設置された特別滞納整理推進室が果たす役割も大きい。同室では市税の他に国民健康保険料、介護保険料、保育所入所負担金、後期高齢者医療保険料・下水道受益者負担金・分担金などで金額が大きかったり、徴収の難しい債権を各課より移管を受けて滞納整理に当たっている。実績としては、平成27年度で3億6千万円以上を徴収。またそれだけでなく、職員を対象とした研修会を開き、債権を持っている各課の職員のスキルと徴収意識の向上にも一役買っている。その結果、市税だけでなく、他の収納率の向上にも大きく寄与する結果となった。
これらの努力の成果もあって、平成18年の合併当初約41億5500万円あった滞納繰越金が平成27年度で15億5200万円まで圧縮している。その一方、平成27年度で滞納繰越分の収納率が22・1%に留まっていることからも、滞納させない取組みがいかに重要かが分かる。市税の場合は、5年の時効を迎えると不能欠損として処理しなければならず、毎年多額の税金が回収不能になっており、更なる収納率向上への取組みが欠かせない。
今後始まる公共施設の建設などに使われた合併特例債の償還も、津市の財政にとっても大きな負担となることは間違いない。そのような情勢下で、市政の健全な運営と税の公平性を守る取り組みはますます重要なものになるだろう。