2017年3月

会舘前に張られた結界の中で「水行」を披露する上人ら

会舘前に張られた結界の中で「水行」を披露する上人ら

撰経を参列者の体に当てる栁川尚史上人

撰経を参列者の体に当てる栁川尚史上人

県内に4つの葬儀専用貸ホール「光倫会舘」を展開する㈱ふじや本店の取締役で、日蓮宗光延結社の教導でもある栁川尚史上人が、厳しい修行で知られる「日蓮宗正中山大荒行加行」を成願。9日、四日市光倫会舘で報告会を兼ねた「祈願会」が行われた。
比叡山延暦寺の千日回峰行と共に世界三大荒行に数えられるというのが、この千葉県市川市の中山法華経寺の百日大荒行。
日蓮宗では公開厳禁の荒行堂(加行堂)での過酷な修行を終えた者にのみ祈祷の修法が許される。11月1日から2月10日までの寒中100日間の時には死者も出る程の過酷さ。
全修行僧が瑞門をくぐると、この門は固く閉ざされ、2月10日まで開く事はない。外部との交流を遮断した結界での修行。
荒行僧の一日は、早朝2時に起床し、朝3時、一番の水から午後11時まで一日7回、寒水に身を清める「水行」と、「万巻の読経」「木剣相承」、相伝書の「書写行」があり、朝夕2回、梅干し一個の白粥の食事の生活が続く。
栁川尚史上人の成満は今回で7回目。通算700日の修行となった。
少し痩せて坊主だった髪と髭が伸びたその姿が修行の過酷さを物語っていた。
当日は、同社の役員・親族・社員や協力業者約150名が参列。栁川尚史上人が修行を通じて縁を持った愛知、三重、長野、岐阜の13上人と入場して読経した後、会舘前に張られた結界の中で「水行」を披露。続いて会場内に設けられた祭壇で所願成就を祈り読経した後、再び会館前に移動し、「供養塔」前で読経した。 最後は、参列者一人ひとりの体に撰経(日蓮聖人が法華経の要文、要句を抜粋したお経)をあてて、体に頼る死霊、生霊、野弧、疫神、呪詛、の五段の邪気を払うと共に法華経、撰経の功徳を得ていた。
同上人は「皆様のおかげで今回も成願することができました」と参列者に挨拶し、深々と頭を下げた。

厚生労働省は受動喫煙防止の強化を目的に飲食店や官公庁などを屋内禁煙とし、違反者には罰則規定を盛り込んだ案を公開している。大きな影響を受ける飲食業界やたばこ産業などからも強く反対の声が上がっており、どのような形で帰着するのかはわからないが、この現状に対して津市内でも様々な声が聞こえてくる。

 

喫煙者の総数はJTの調べによると2016年5月末で19・2%。年々、減少の一途を辿ると同時に、他人の煙草の煙による健康被害が危惧される受動喫煙防止の動きは加速。主要先進国と比べると取り組みが遅れているという理由もあり厚生労働省は東京五輪・パラリンピックに向けた対策を強化。今国会に提出をめざす法案では喫煙が禁止されている施設の管理者に喫煙禁止場所であることの提示を求めると共に、それを無視する喫煙者に30万円以下の過料、更に義務を果たさなかった飲食店などの施設管理者に50万円以下の過料を求める内容が示されている。これに対し、津市内でも賛否の声が出ている。
特に影響が大きいとみられるのは飲食店。法案では食堂・ラーメン店・居酒屋・焼き鳥屋など、食べ物を中心に提供する業態の飲食店は、喫煙室の設置は認められているものの、テラス席は屋外でも禁煙になるなど、かなり厳しい制約が記されている。昨年末にオープンしたばかりの津市内のカフェ&バーでは、ランチタイムは禁煙だが夜は喫煙可というスタイル。店主Pさんは「常連さんにはお酒と共に煙草を楽しむ人も多いので、そのまま成立したら厳しい。喫煙室の設置もスペース的に難しい」 と危惧する。このように料理と共に酒を味わいながら、ゆったりと煙草をくゆらせる常連客に支えられているという店の店主らは死活問題と口を揃える。
だが、その一方で非喫煙者の増加や居酒屋や焼き鳥屋にも家族連れの客が増えていることから、法案を歓迎する声も少なくない。津市内のラーメン店のYさんは「オープン当初から完全禁煙。自分も吸わないので気にはならない」と話すように、飲食業界でも客層や業態によって賛否がはっきりと分かれているのが実情だ。同案では30㎡以下の小規模なスナック・バーを例外とし喫煙を認めているが、同じ業態でも規模で喫煙可能かどうかが分かれる点も異論が出そうだ。
学校や病院は敷地内完全禁煙。官公庁や大学も屋内禁煙で喫煙室の設置も認められない。津市役所では、1階と8階などに喫煙室があり、来庁者や職員が利用している。設置当時は換気扇で煙を外に排出するだけだったが、JTの指導で一定の基準を満たす空気清浄機を通してから屋外へ空気を排出するなど、分煙の取り組みを進めている。現状では非喫煙者からの苦情はほとんど寄せられていないという。案では喫煙室がある場合は一定の基準を満たせば5年の猶予期間が認められるとされているが、一時的なものに過ぎない。屋外に喫煙スペースを設けるにしても、市庁舎の周囲に設置可能な空間は限られており、煙が風で流されれば、結果として分煙している現在よりも受動喫煙が増える可能性も否めない。非喫煙者にもメリットが無ければ本末転倒も甚だしい。
また、案が成立すれば、地方の大きな財源であるたばこ税への影響も確実。津市でも、平成27年度の市たばこ税の税収は約18億3千万円。来年度も16億8千万円を見込むなど、依然として軽自動車税の約3倍に及ぶ財源になっている。受動喫煙が原因とされる死者が全国で年間約1万5000人に及ぶと言われ、喫煙が原因の医療費支出を抑えられるとすれば、単純な財源とは言い切れないが、行政にとって〝痛し痒し〟が本音だろう。
もちろん、受動喫煙防止という趣旨は正当で、県内でも最も外国人宿泊者数が多い津市にとって国際的に通用するルールづくりも重要と言える。たばこ産業や飲食業界の反対を受け、自民党などが反対の声を上げており、法案がどのような形で落ち着くかは分からないが、非喫煙者と喫煙者とそれを取り巻く人々にとって大きな影響のある問題だけに禁煙や分煙の線引きなど、議論の余地が残されているといえよう。

4月2日㈰10時~14時半、津市美杉町八手俣の君ヶ野ダム公園で「第29回君ヶ野ダム公園桜まつり」が開かれる。荒天中止。主催=同まつり実行委員会。
同公園は春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と四季折々の景観が楽しめるが、特に1500本の桜と噴水、それらがダム湖に映る姿は圧巻で、春を全身で感じながらイベントが楽しめる。
▼特設ステージ=美杉連山のろし太鼓演奏、よさこいソーラン演奏、フラダンス、歌謡ショー(結城さおりさん、結里花さん)やカラオケ大会など。
▼公園広場内=君ヶ野なべ(有料)、先着お楽しみ抽選会、白山高校茶道部による茶席、 地元物産展、わたがし・スーパーボールすくい・風船、竹原地区活性化協議会コーナーなど。
尚、来場の際はJR名松線の利用をすすめている。
同線伊勢竹原駅と会場間で無料バスが運行される。
問い合わせは実行委員会☎津262・3014。

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