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3月25日、津リージョンプラザの健康教室で、津市・津市民文化祭実行委員会主催の三重大学シリーズの第72回文化講演会?「発見塾」が催された。主管=津文化協会。後援=同大学、本紙。
三重大学の持つ知識を広く共有するため、各分野の専門家を招き隔月ペースで開催。今回の講師は同大学人文学部准教授の森正人さん。演題は『メディアと戦争~軍靴の音を聞く・見る』。
森さんは、テレビ・新聞・雑誌・ガイドブックといったメディアについて、世界中で起きている様々な事象を媒介し、多くの人々に伝えながら、世界そのものを形成する一方、それぞれが独自の視点を持っているので歪みや偏りを内包していることを指摘。その上で第二次世界大戦中に日本政府が様々な雑誌などのメディアを通じて、戦争の大義を国民に訴えながら、支持を集めて総力戦という形をつくりあげていく様子を解説。加えて、新聞社主催の鹵獲品の博覧会も行われ、国威発揚にも利用したり、太平洋戦争時には情報操作で劣勢を隠しながら、国民に犠牲と負担を強いるだけでなく、特攻や大和魂をメディアがこぞって取り上げる中、それを賛美する論調が形成されたことを指摘。
それらの歴史から脱却しようとする動きが活発化している現状に対し、美しい国や崇高な精神という美名の下にある見たくもない、聞きたくもない歴史から目を背けず、各人がメディアに誘導されない自分の意見をしっかり持つことの重要性を訴えていた。
2017年4月6日 AM 4:55
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