病院の入退院や転院、施設からの付添い、お出かけ介助など仕事内容は日々変わるが、安全安心に目的地へお送りするのが我々の使命である。
看護師が同乗して目的地へ搬送する民間救急も、患者さんと病院をつなぐ大切な役目を果たしており、そのつど利用者さんの思いに応えて寄り添えることは、自身にとって仕事への大きな原動力だ。
その日その時の、患者搬送と福祉タクシーの業務をピックアップした。

この日の仕事は、患者搬送。患者さんは急性期を経て、家族が待つ他県の病院へ転院が決まった。
移送距離が長い時や体調に注意を要する時は、事前に当社と病棟看護師との間でカンファレンスをさせていただき、搬送先までのシミュレーションをする。
患者さんの体調は機器類の積載が必要とのことで、当社で民間救急車輌へ準備を整えた。
患者さんを気遣う家族の思いは、やっとこの日を迎えた事や、搬送先での回復への期待と一抹の不安が交錯しているのが、我々搬送スタッフ側にも伝わる。
患者さんと看護師、家族も同乗して、早朝に出発。転院の荷物を満載して、自動車道をひたすら走った。 片道270㎞の中距離だが、患者さんに万が一、変化があった時は、搬送元病院の指示を得て、最寄りの病院へ変更するよう指示を受けている。
道中、搬送元の看護師による適切な処置は、緊張していた患者さんに安心を与え、ドライバーの安全運転にも良い効果を与える。途中、渋滞があり、時間の遅れが気になったが、幸い特変はなく搬送先病院へ着いた。家族も長時間の車内での緊張がとけ、ほっとした表情。
担当者に引き継ぎをし、安全な運行ができたこと、人と人の心の絆に少しでもお役に立てたことを感謝し、帰路についた。

ある日、仕事を終えた夜10時、救急で搬送された病院から、帰宅搬送の依頼が入った。骨折の疑いだが、アパート上階への介助が必要との情報で、介助員が同乗した。
注意しながら、患者さんを車椅子で階段介助して問題なく終了した。
帰社して間もなく、再び同様の帰宅搬送依頼。既に午前零時を回っており、高齢独居の患者さんとのことで、再度介助員同乗で搬送。深夜で注意を要したが、特変なくお送りした。

他日の日曜、夜間診療所への搬送依頼。高齢で発熱のため、救急へ電話しようと考えていたらしいが、家族が「救急車を呼ぶほとではない。他に重症患者がいては大変」と、当社へ依頼したらしい。
軽症だが、救急車をタクシー代わりに呼ぶケースが社会問題になっている中、「道理をよく考えた判断だ」と思った。診察後、医師が指示した病院へ再搬送。

ほのぼのした利用例もある。
独居のお年寄りから、お墓参りをするための車椅子介助送迎。距離が遠く、菩提寺では兄弟が首を長くして待っているとのことだ。墓まで野道を通らねばならず、転倒の心配があり、車椅子対応車輌を依頼された。利用者さんと、福祉タクシーのドライバーも当日は女性で、会話に花が咲く。
現地では兄弟で久しぶりに会話が弾み、無事墓参りを終えた。「また連れて行って」との一言で、次のプランに期待。外出をためらわない姿勢は、大いに見習いたい。

利用者さんからは遠近様々の依頼があるが、基本は「交通弱者」の人達。ある勉強会で得たSOC(わかる感、できる感、やるぞ感)という行動力を搬送に生かしながら、新たな目標を立てて今後の仕事に応用していきたい。
(民間救急  はあと福祉タクシー代表)

津市芸濃町のガイド団体「芸濃ふるさとガイド会」は3月~8月に全12回、バス・ウォーキングによるツアー『芸濃名所めぐり+伊勢の津七福神 2017春夏』を催す。共催=津市芸濃総合支所地域振興課。
5月・6月開催分の詳細は次の通り。集合時間・場所・申込み方法は全回とも同じで、集合は8時50分、津駅東口のローソン前。9時出発、15時半到着予定。
《バスツアー》
◆5月11日=㋭連子格子の楠原宿と一身田寺内町のまちなみ(歩く距離約1・5㎞)▼参加費=千円▼津駅~芸濃資料館~楠原宿散策~錫杖湖水荘(昼食)~一身田寺内町~津駅。
◆6月1日=㋬江戸の面影を残す椋本宿と霊樹大椋(同約2・7㎞)▼参加費=千五百円、昼食は錫杖湖水荘の平家御膳▼津駅~同資料館~旧角屋旅館~椋本の大椋~錫杖湖水荘(昼食)~四天王寺~津駅。
◆6月15日=㋣石山観音静寂に佇む石仏群(同約0・9㎞)▼参加費=千円▼津駅~同資料館~石山観音~錫杖湖水荘(昼食)~円光寺~津駅。
《ウォーキングツアー》
◆5月25日=③伊勢別街道ウォーキング楠原宿~椋本宿(約7・3㎞)。雨天中止▼参加費=千円▼津駅~楠原宿散策~椋本宿散策~同資料館(昼食)~椋本の大椋~旧角屋旅館~津市芸濃庁舎~津駅。
◆各コース定員20名(抽選)、最少催行人数8名。
◆申込み方法=往復葉書に次のように記入し郵送。
【往信用表面】=〒514─2292 津市芸濃町椋本6141─1 芸濃総合支所地域振興課「芸濃名所めぐり」事務局。【返信用裏面】=空白のままにする。【返信用表面】=自身(代表者)の住所・氏名、申込コース(例=㋭)。【往信用裏面】=〒、住所、☎(携帯)、参加希望者全員の氏名・年齢、参加希望コース(例=㋭5/11)。
※1枚の葉書で1つのツアー日程につき3名まで申込み可。複数のツアーに申込む場合は日程毎に別の葉書で申込みを。小学生以下の参加は保護者の同伴が必要で、必ず保護者と一緒に1枚の葉書で申込むこと。
◆申込み締切り=各コース出発日の14日前必着。
問い合わせは同課☎津266・2510へ。

安濃津ガイド会による紙芝居と、熱心に観る参加者たち

安濃津ガイド会による紙芝居と、熱心に観る参加者たち

津観光ガイドネットに所属する市内のガイド7団体が1日、津市河芸町三行の「道の駅 津かわげ」で、順番に10時から16時まで休みなしで多数の紙芝居を上演。親子212名が来場し、熱心に観ていた。
ガイドネット所属の団体は、津の伝説や民話の紙芝居を合計53本作成し、様々な活動時に披露している。
今回、各団体は、上演前に地元の名所の写真で観光のPRも行った。
最初に出演した「安濃津ガイド会」は、津城跡の隅櫓と満開の桜の写真を紹介したほか、「阿漕平治」の紙芝居を披露。話を聞いた子どもからは、「平治せんべいの話や」などの声が上がった。
また地元の「河芸『江』の会」が新作2題「稲の降りたお宮さん」「500年も続いている世だめし粥うらない」を上演。
そして、最後に登場した「谷川士清の会」の紙芝居を観た四日市市の3名は、「士清について初めて知った。いい勉強になった」と感想を話していた。
5月5日にも10時から同駅で紙芝居を実施予定。
なお、津観光ガイドネットでは、民話や伝説などを掲載した「ふるさと読本 知っておきたい津」の改訂版を編集した。
A4判オールカラー、138頁。税込1500円。
書店や本紙などで販売中。

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