三又に分かれた枝の先に咲く黄色い花

三又に分かれた枝の先に咲く黄色い花

山林にできたミツマタの群落と、岸野隆夫さん(今月19日撮影)見頃後半を迎え、花の色がピーク時の黄から白へと変わっていた

山林にできたミツマタの群落と、岸野隆夫さん(今月19日撮影)見頃後半を迎え、花の色がピーク時の黄から白へと変わっていた

津市美杉町石名原字大門の山林で、斜面と比較的平らな地の合わせて約1・5haの土地に和紙や紙幣の原料として知られる春の花木「ミツマタ」の群落が誕生。
今年の見頃は今月初めから先週末までだったが、所有者で農林業を営む岸野隆夫さん(63、石名原)は「来年以降、一般の人にも見物に来てもらい、山に関心を持ってほしい」と考えている。
ミツマタは、黄色やオレンジなどの小さな花が集まり半球形をつくる。この小さな花には花弁はなく、花弁のように見えるのは筒状の萼の先端が裂けて反り返ったもの。枝が必ず三又に分かれ、これが名前の由来となっている。
また岸野さんは伊勢地区自治会連合会会長で、昨年、全線復旧したJR名松線の活性化に取り組む「名松線を守る会」の副会長でもあり、地域や同線のために活動している。
山林のミツマタは元々、10年前に亡くなった父の智さんが昭和時代に植えたもので、目的は山林の多目的利用だったと思われる。以前の群落の面積は現在の3分の1ほどだったが、4年半前にこの辺りで間伐を行ったところ、日当たりが良くなったためか自然にどんどん広がり、「サプライズ」だったそう。
特に管理しなくても順調に育ち、鹿による食害など獣害とも無縁。数が増えても周りの杉やヒノキに悪影響がないという。
また花は香りがあり一面に咲く様子は美しく、他地域では観光地となっている例もある。この群落と周囲の木々の幻想的な景色も、名松線沿線のウォーキングイベント参加者や写真家などに好評で、新たな名所として地域資源になり得る。
但し来年以降、一般の人が見物に行く場合は、火やゴミの扱いに気を付けルールを守ると共に、林道は狭く急な坂で一度に多数の車は通れないので注意を。
「林業は斜陽産業と言われているが、まだまだやれると思う。手入れしてある美しい山を一般の人に見てほしい」と岸野さん。